2016年からのマーケティングを考える
12月6日(日)AM11:00 今年は暖冬ということもあり、まだ秋の空気の残る透き通った空気の残る南青山。恒例の無印良品Cafe & MUJI 南青山店で「朝、カフェで読書会」が開催されました。
Facebookで3000人より「いいね!」を集めた首都圏を代表する「朝、カフェで読書会」今回はビジネス書のテーマにふさわしい「マーケティング」でした。
著者はグロービス・マネジメント・スクールで講師を務められる武井涼子先生。第一線のビジネス現場を知るプロフェッショナルです。2015年10月22日に著書『ここからはじめる実践マーケティング入門』をディスカヴァー・トゥエンティワンより発売されました。
今回は参加者がビジネスパーソン中心ということもあり、最初からビジネススクールの講義のように、具体的な事例がバンバン飛び出しました。また武井先生ならではの、わかりやすくていねいな語り口は、カフェでコーヒーを飲む安心感と、まるで教室で講義を聴いているような高揚感を合わせ持っていました。
参加者は25名で男女比が50%づつ。グローバル企業の人事システム担当、WEB系ベンチャーのUIデザイナー、大手部品メーカーの製品開発担当者など、これからのグローバル化の最前線で活躍される20~30代後半くらいまでのビジネスパーソンが集まりました。
また、台湾出身の方も参加されており、言語にしばられないフラットなディスカッションが行われました。
次世代マーケターにとって必要なマインドセットとは?
参加者からは、こんな質問が上がりました。
「現在、企業でマーケティングの計画策定をしています。既存のスタイルにしばられたものではなく、新しいメディアと融合したマーケティングプランを提案したいのですが、既存のメディアを使い慣れてしまった経営陣を説得するには、どうしたらいいでしょうか?」
武井先生は、ズバッと結論から、
「これからの時代はデータと対話することが重要です。今後、データを検証することによる説得力が特に価値を持ちます。自分で仮説をたて、それを何度もシミュレーションしてみることが重要。そのシミュレーションの精度が高く、毎回、結果を出せれば、世界で通用するマーケターとしての資質は満たせていると思います。」
台湾出身の人事システムに関わる参加者から、こんな質問がありました。
「商品ありき、いい商品だから売れると思っていたけれど足りないことがわかりました。今後のマーケティングの概念で押さえておくべき考え方を教えてほしい。」
武井先生は、やさしくわかりやすい語り口で本質を突きます。
「グローバル時代には、商品カテゴリーごとに競争していました。もはや、その時代は終わりました。これからは競争ではなく「共創」するビジネスモデルを考えないといけません。顧客の潜在的なニーズを探るのではなく、「なぜ、今、ここで商品を欲しくなるのか?」という経験や状況に根ざした社会調査が必要となります。その全体感を本書に詰め込みました。」
その後もブランド論にとって、必要な考え方など、通常の一方的な講義ではなく、参加者主体で、インタラクティブな読書会が行われました。
本の制作秘話が聞けることも!?
当日、同席されたディスカヴァー・トゥエンティワンの担当編集の千葉さんは「本書では武井先生の外資系コンサルティングファーム、グローバル企業の広告代理店、国内の広告代理店、海外MBAという豊富なキャリアと武井先生のキャラクターを表現しようとしたら、かなりのボリュームで、この本の2倍以上のコンテンツになってしまったんです。実は一章分で専門書1冊分の内容をわかりやすく説明しています。そこで編集をする上では、本当に必要なエッセンスを削りに削って1冊にまとめました。」
新しい読書会の可能性
2時間があっという間に終わりました。豊富なケーススタディと理論の数々。本書を読んで参加した方は、最先端のマーケティングのエッセンスを聞けたことから、今後の学習が促進すると思います。本書を何度も読み返したくなるような、知的な読書会でした。
今回は、読書会では珍しく参加者から自発的にファシリテーションをしていただけたこともあり、自己紹介タイムや名刺交換など、これまでの異業種交流会を超えるプレミアムなひと時でした。来年も「どんどん本を読んで、読書会に行こう!」と学ぶ意欲が湧いてきました!