読んだ本で著者と直接、語り合う
10月11日(日)澄んだ空気の表参道から南青山へむかう途中にある無印良品Cafe & Meal MUJI 南青山店で「朝、カフェで読書会」が開催されました。Facebookで3000人より「いいね!」が集めた「朝、カフェで読書会」は、いつもはビジネスを中心に選書しています。この会の魅力はビジネス書以外にも生活や文化に根ざした書籍を取りあげること。
今回は『日本の神さまと上手に暮らす法』(ダイヤモンド社)が課題本でした。著者の中村真さんは雑誌「ecocolo」の代表のあと、現在は尾道自由大学校長兼「神社学」教授を勤められています。今回の目玉は中村さんからとお話をうかがった後、参加者で明治神宮をフィールドワークすることです。
本でつながる仲間の輪
「表紙がとてもキレイで思わず手にとったんです!」と評判の本書。参加者は約30名.。美容サービス、翻訳家、投資会社勤務、薬剤師とバラエティに富んでいました。参加者からは「神社や歴史とか難しそう。でも、もっと知りたいと思って参加しました。」「神社の本なのに、意外とフランクでアウトドア系な雰囲気の著者なので驚きました。」
という声がありました。
著者といっしょに趣味を深掘り!
自己紹介をしたあと、ディスカッションを行いました。今回は、仕事ではなく生活に関する話だったので、なごやかなお茶会のような雰囲気。旅行が趣味の女性が多く、各地の神社巡りエピソードから日本人の起源、カレンダーの暦(こよみ)の解釈など、生活の見方が新しい視点を取りいれることができました。
参加者から、こんな質問がありました。
『なかなか決めるのは難しいと思いますが、これまで10年間に1万回も神社を訪問されたとのことで、中村さんが決める「ベスト神社」はどこでしょうか?』
中村さんは「それは難しい」と前おきされ、
『カッコイイか、カッコよくないか、という基準で自分でベスト神社を決めるといいと思います。私の考える「カッコイイか?」というのは、表面的な神社の見た目だけではないんです。その土地の歴史に根ざしていて住民から信頼されていること。たとえば、神社の近くにおばあちゃんが住んでいて「あの神社には私が子どもの頃から、神さまがずっと住んでいるんじゃ。」と言われてから、神社を訪れてみる。「ああ、この神社は地元の人の心を支え続けているんだな。」と感じると「カッコイイな」と思う。そういうのが心に残る神社だと思いますね。』と神社のエピソードが続きます。
語り合った後は神社をフィールドワーク
話が盛り上がった後、明治神宮を訪問しました。日曜日ということもあり多くの観光客。中村さんから「他人の家に上がるつもりで礼儀を持った気持ちを持って鳥居をくぐりましょう。」と、ていねいな解説をいただきました。参加者も遠足のような雰囲気になり、自然につつまれて、写真を撮ったり物思いにふける方など、それぞれの楽しみ方があるようでした。日曜日の朝から、読書とフィールドワークで、頭も体もリフレッシュできました。今後は本書を持って「神社を旅してみたい!」と秋の紅葉の季節が楽しみになりました。
(文・写真 石川航平)
著者プロフィール
中村 真 (なかむら まこと)
尾道自由大学 校長
「神社学」教授
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