2023年、著名人やアルファブロガー、新聞、雑誌の書評で最も紹介されたビジネス書のランキングを発表します。 (集計期間2022年12月〜2023年11月)
bookvinegar 2023年ランキング
①思考の穴(アン・ウーキョン) 18pt
②グッド・ライフ(ロバート・ウォールディンガー) 16pt
②創始者たち(ジミー・ソニ)16pt
④「協力」の生命全史(ニコラ・ライハニ) 14pt
④リサーチのはじめかた(トーマス・S・マラニー) 14pt
④世界最高のリーダーシップ(フランシス・フライ)14pt
④誠実な組織(ロン・カルッチ) 14pt
⑧まず、ちゃんと聴く。(櫻井 将)12pt
⑧遺伝と平等(キャスリン・ペイジ・ハーデン)12pt
⑧CFO思考(徳成 旨亮)12pt
⑧Zero to IPO(フレデリック・ケレスト)12pt
⑧マザーツリー(スザンヌ・シマード)12pt
⑧ジャーニーシフト(藤井 保文)12pt
⑧MEGATHREATS(ヌリエル・ルービニ)12pt
今年の第1位は、『イェール大学集中講義 思考の穴』でした。
本書は、イェール大学で大人気の認知心理学の講座を書籍化したものです。人が陥りがちなバイアスなど人間の脳の仕組みが生み出す様々な思考のバグが紹介されています。こうした思考のバグを知っておくことで、私たちは物事を正しく判断する可能性が高くなるというものです。
行動経済学・認知心理学という専門的な内容をわかりやすく、読みやすい内容にまとめられており、話題となりました。
今年のビジネス書は、特に「ChatGPT」に関するものが多く出版されたのが特徴的でした。昨年はweb3やメタバースといったキーワードに関するものが多かったのが、ChatGPTに完全に置き換わったような印象があります。これまでAIをテーマとする本も多かったのですが、多くの人にとってビジネスで触れるシーンは限られていたように思います。それがChatGPTという誰でも触れる形で、サービスが登場したことで、一気に話題になりました。
もう1つ、今年のビジネス書のトレンドとして挙げられるのが、書籍価格の高騰です。様々なモノが値上がりする中で、書籍についても価格が上がりました。その過程で、これまで価格が割と安い自己啓発書的なものが減ったように感じています。専門的なしっかりした書籍が、高額でもきちんと出版される。こうした傾向は今後も続くのではないかと思います。
個人的には、2023年のベストブックは『「人生が充実する」時間のつかい方』でした。幸福学の観点から、どのように時間を使えば幸福度が高まるかについて書かれた本です。自分の時間をどのように使うべきかを改めて考えさせられます。今年は、第2位にも選ばれた『グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない』のように「幸福」に関する書籍も多かったように思います。コロナ禍を経て、多くの人がこれまでの生き方を見直すという転換点に来ているということなのかもしれません。