人生最高のパートナーを見つけるための読書会

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天才とは「二人で一つ」の意味とは?

 2017年4月6日(木)19時すぎ。春の訪れと共に新社会人が町には溢れています。期待と緊張の面持ち、そして新しい出会いが交差する街・東京・恵比寿。
「あの日、あの時、あの場所で・・・」と、つい口ずさみたくなる4月第一週の夕暮れ。今夜は残念ながら雨。ただ、空気だけは澄み渡っていました。桜もいよいよ開花目前。
 そんな春にふさわしい読書会が開かれました。今回は、英治出版から4月15日(土)に発売する新刊を読めてしまうプレミアムな読書会。主催は Read For Action 日本最大級の読書会を行う団体です。
 Read For Action は読書活動を促すために「リーディングファシリテーター」という読書会の進行役を養成し、今、日本中で本を広める活動を普及しています。
 今回の担当ファシリテーターは
『1日20分、読まずに「わかる!」すごい読書術』 の著者の渡邊康弘さんです。
 課題本は、英治出版から4月15日に発売が決定した
「POWERS OF TWO 二人で一人の天才」本書は2014年に海外で発売され話題となりました。
一部のビジネスパーソンの中で「ぜひ翻訳されるべき名著だ」と叫ばれていました。3年超しで日本国内で翻訳書の発売が決まったそうです。

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パートナーと創造性を発揮するためには?

 英治出版の担当プロデューサー・山下さんも同席し、書籍が翻訳に至るまでのストーリーを伺いました。英治出版は「絶版しない本」を目指し、年間20タイトルを丁寧に作り出す考え方を持っているそうです。その目的は「読者の心に残る本を残すこと」まさに読者と編集者、そして本が交差する読書会ならではの洗練された空気を感じました。
 本書は「パートナーシップによって創造性を、いかに発揮するか?」ということがテーマです。歴史上の偉大な人物は、実は大成功を一人ではなく、二人でおさめていたことが多いそうです。
 例えば、THE Beatlesのジョン・レノンとポール・マッカートニー。天才と言われた二人にも、実は、それぞれが兄弟のように仲が良かったり、犬猿の仲になったりした時期があったそうです。本書は、音楽に限らず、ビジネスやスポーツ、映画というあらゆる分野での「創造的な二人」の事例がふんだんに紹介されています。

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誰にも訪れる出会い、そして別れ

 パートナーシップのあり方には、6つのプロセスの段階があるそうです。読書会の中ではテーブルごとに、それぞれの章を読み込み、発表するというシンプルなスタイルでした。Read For Actionの特徴は「事前に本を読んでこなくてもOK!」ということ。
 その場で「みんなで読む」というクリエイティブな時間を過ごせてしまいます。
 参加者の「早く本を読みたい!」という高揚感を感じながら、読書スタート!
 目次には「邂逅」「融合」「弁証」「距離」「絶頂」「中断」というプロセスが記されています。「ピン!」と張り詰めた空気になり、まさに著者がそこにいるかのごとく、クリエイティブな時間を感じました。
 ワークでは、本に関する疑問や質問を付せんに書きだします。

「運命の出会いをどうやって生むか?」

「出会いを一生の関係に発展させるためには?」

そして、その問いの答えを本から抜き取ってきます。

「人間関係を、一時的に中断することを受け入れること」
「好敵手(ライバル)を叩きのめすという心理を競争に利用すること」
「人間関係は弱くて脆い、だから大切にする必要がある」

 こうした答えを持ち帰ることで、自らの仕事やプラベートの課題に生かすそうです。参加者の一人から、こんな感想をいただきました。

「ふだん人間関係で衝突を恐れていました。特にビジネスでは、なかなか強気になれなかったり、お客様の言われた通りにやってもなかなか満足にはつながらないこともあります。ただ、本書を読んで、衝突もクリエティブなプロセスだと考え、前向きに取り組む勇気が湧いてきた。営業では提案を増やしたり、どんどん行動を増やしていこうと思いました。」

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『人生100年時代』あなたは誰と過ごしますか?

 今回は、発売前に本が読めてしまうプレミアムな読書会でした。特別に懇親会も開かれ、都内の読書好きのメンバーで「人生で一番良かった本は?」「去年、一番面白かった本は?」ということを話し合います。なかなか家族の関係や仕事では出会えない仲間たち。
 そして、何か、ずっと話し続けたいと思える本にまつわる談話。こうした知的な対話を持つ場こそ、今のスピードばかり求める都会の喧噪には必要ではないか、と感じました。
 今、大きく世界経済や日本の社会のあり方が変わると言われています。しかし、小さな目の前にいる仲間やパートナーを大事にすることで、今まで考えることができなかった明日が見えるようになる。そのために、洗練された本を読んだり、知的な場を上手く使って、生産的な毎日を過ごしたい、こんな考え方を持っている方には、ぜひオススメしたい読書会でした!
(文・石川航平)

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