2019年1月27日、渋谷のBOOK LAB TOKYOで、伊藤精哉さんのワークショップが開催されました。
伊藤さんは時事通信社の名古屋支社編集部長として報道の第一線でご活躍中です。多忙な記者活動の中、30年以上も現場で手帳を活用し、試行錯誤を繰り返して生み出した“人、情報、時間をコントロールする”ノウハウを、著書『振り返り手帳術』にまとめる形で2018年10月に出版されました。
本日は、その独自の手帳術をワークショップでご紹介くださいました。
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「“振り返り”という言葉と、未来のことを書く手帳が結びつかないという方もいらっしゃるようですが。」と伊藤さん。冒頭で、手帳は単なるスケジュール帳ではなく、過去―現在―未来を手帳ひとつで繋ぐことができると仰いました。
この手帳術のポイントとして、
・その日の出来事を1行に要約して書く → “振り返り”
・最も重要な目標にフォーカスした予定を立てる → “人生ビジョン”
の2点を挙げられました。
特に、“振り返り”という、時間を実際にどう使ったか一日の行動を振り返ることが最も重要な行為であり、その方法として、自分の一日に新聞記事の見出しのように「マイニュース」を付けることをご紹介いただきました。どのような見出しを付けたらいいのか、そのコツを記者ならではの視点でわかりやすく教えてくださいました。
この「マイニュース」を書き続けることでポジティブ思考が定着し、考えが整理され、 何が重要なのかが見極められるようになるとのことです。
続いて“人生ビジョン”では、手帳の空きページや使わないページを活用して「夢100リスト」や「ビジョン夢シート」を作る方法をご紹介いただきました。
伊藤さんはこれまでの経験で「意思の力よりもイメージが勝る」ことを実感しているそうで、できるだけ写真を多く使って視覚に訴えるシートを作ることを推奨していました。
実践ワークでは、昨年2018年の年間マイニュースを書き出すこと、そして2019年末の自分がどうなっていたいかのビジョンを設定する、という2点を行いました。
その後、各項目毎に参加者2,3人の発表が行われました。
伊藤さんは、ワークショップ参加者全員に参加目的を質問されたり、課題の発表者一人ずつにアドバイスをされたりと、参加者に寄り添う講演スタイルが印象的でした。
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過去を振り返ることで現在の状況を確認し、本当にやりたいことや在りたい未来を描き、実現していくことができるツールとして手帳を活用することを熱心に語られていた伊藤さん。
中でも「5年後や10年後になっていたい自分の姿から逆算して、そこに至るまでの毎日を手帳で“振り返る”」というお考えは、長らく手帳を使い続けてきたからこその発見なのではないでしょうか。
著書『振り返り手帳術』では、上記で挙げたポイントの解説の他、市販のスケジュール帳の種類ごとにどのように記入すれば良いのかの事例が数多く掲載されていますので、これからこの手帳術を始めてみようという方にもピッタリです。