未来のイノベーターはどう育つのか――子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの

発刊
2014年5月13日
ページ数
317ページ
読了目安
502分
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イノベーターを育てる方法
イノベーターに必要な資質とは何かを解き明かし、それをどのように育てれば良いのかを、様々な若きイノベーターの事例を紹介しながら、解説している1冊。
子供の可能性を伸ばすためには、何をすれば良いのか。


■イノベーターに必要なスキル
イノベーターには、根気、実験する意欲、計算されたリスクを引き受ける能力、そして失敗への寛容性、さらには批判的な思考だけでなく「デザイン思考」が不可欠だ。

IDEOの社長兼CEOのティム・ブラウンは「デザイン思考者」の5つの特質を挙げている。

①共感:人間を中心に世界を多角的に思い描く
②統合的な思考:問題をあらゆる側面から見つめて、突破口的な解決策を見出す
③楽観主義:どんなに難しい問題にも必ず解決策が見つかると信じる
④実験主義:新しい解決策を探る試行錯誤のプロセス
⑤コラボレーター:異なる分野の人と一緒に仕事ができる

ハーバード・ビジネススクール教授のクレイトン・クリステンセンらは、独創的な人間かそうではないかは、関連付ける力、質問力、観察力、実験力、ネットワーク力という5つのスキルがあるかないかで決まる事を発見した。

イノベーターに欠かせない資質

これらを統合すると、成功するイノベーターに最も欠かせない資質のいくつかは次のようになる。

・好奇心:いい質問をする癖と、もっと深く理解したいという欲求
・コラボレーション:自分とは非常に異なる見解や人の話に耳を傾け、学ぶ
・関連付けまたは、統合的思考
・行動志向と実験志向

こうしたスキルや考え方の癖は、育てたり、教えたり、引き出したりできる。私達の多くは、クリエーティブで独創的な人は生まれつきそうなのだと考えがちだ。しかし、ほとんどの人は正しい環境とチャンスを与えられれば、もっと独創的になれる。

イノベーターはどのように育つのか

イノベーションはゼロから起こす事はできない。専門性(知識)が必要だ。さらに、クリエーティブな思考力が必要だ。それは正しい疑問を投げかけ、結び付きを見出し、観察し、共感し、コラボレーションし、実験する能力である。最後にモチベーションが必要だ。

ハーバード大学経営大学院のテレサ・アマービル教授は、モチベーションは専門性やスキルよりもはるかに重要だと考えている。そして、モチベーションを外的モチベーションと内的モチベーションに分け、創造性には後者が極めて重要であるとしている。

では、内的モチベーションとは何なのか。どうやってそれを伸ばせばいいのか。
内的モチベーションには遊び、情熱、目的意識という3つの要素がある。この3つを親、教師、メンター、経営者がどのように奨励するかによって、若きイノベーターの人生には大きな変化が表れる。

①遊び
人間は新しい可能性を探り、実験し、想像する欲求、つまりイノベーションを起こす内的欲求を持って生まれる。そして、子供はこうしたスキルを遊びを通じて学ぶ。

②情熱
起業家として成功するかしないかの半分は、根気で決まる。だから自分が情熱を感じられるアイデアや課題、あるいは正したいと思う間違いを見つけなくちゃならない。

③目的意識
若きイノベーターはほぼ例外なく、青年期に何かを学ぶか実現したいという情熱を抱くが、その情熱は学習と探究を通じてもっと深いもの、もっと持続的で信頼できるもの、即ち目的意識へと進化する。

若きイノベーター達は子供時代に大いに遊んだが、その遊びは多くの子供の遊びと比べると極めて無秩序なものだった。そこには試行錯誤によって物事を探り、実験し、発見するチャンス、つまり冒険して失敗する余地があった。子供時代のこうしたクリエーティブな遊びを通じて、彼らは情熱を傾ける対象を見つけた。しかしその情熱を追求する過程で、関心の対象が変わり予想外の変化が起きる。それは新たな情熱を育み、時間が経つに連れて、より深く成熟した目的意識へと発展していく。

 

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