目標を計画しても成功できない
私たちは成長と共に「計画を立てること」を覚えていく。やることを整理して、段取りを決める。いつ、何を、どの順番でやるか道筋を立ててみる。そして、勉強や仕事にも計画を使うようになる。
しかし、目標が大きくなるにつれ、計画はうまく回らなくなっていく。やることが大きくなれば想定しないといけないパターンが増え、期間も長くなる。そして、「計画倒れ」が起こり、いつしか「計画疲れ」に変わる。
計画には、3つの落とし穴がある。
- 計画を立てただけで満足してしまう
- 計画がプレッシャーになる
- 目標がエスカレートし続ける
「計画」を行動に移すという話には、「自己コントロール」といった言葉が付きまとう。それは結局のところ「気合いで何とかする」と同じである。
「計画」とは未来のために今を使う手法である。しかし、それを続けると「今」はずっと置いてけぼりである。1つ期待をみたしても、すぐ次の期待に上書きされてしまう。エスカレートし続ける「期待」に応え続けることはできない。現実が未来に追い付かなくなって、未来に期待できなくなったら、燃え尽きてしまう。
「成功した」と評価されても、その状態を維持し続けるのは無理である。成功は他人との比較で決まるからキリがない。人生の目標は「満足」すること。成功してなくても満足はできる。幸福じゃなくても満足はできる。「未来への期待」を軸に生きていると、この「満足」がどんどん遠くなっていく。計画がうまくいかない理由はここにある。
「イマココ」に集中する
「戦略的無計画」とは、未来を決めつけすぎず、現実を見ながら、最適な「次の一手」を選び続けること。原則は次の3つである。
①次の一手を直感で決める
最初にゴールまでの階段をすべて作ろうとしないで、一段上ったら、次の段を作ることを繰り返す。「次の一手」は直感で決めていい。今この瞬間に意識を向けて、周りをよく見る。すると「次はこれだ」と自然に浮かんでくる。私たちは「気づく力(洞察力)」を持っている。その時の状況に合わせて決めた方が、精度の高い一手になる。
②いきなり本丸から攻める
多くの人は、準備や整理から始めてしまう。しかし、いくら準備をしても、肝心の成果物の作成は1ミリも進まない。まず、その仕事の一番大事な部分を直感で見極めて、いきなりそこから始める。「本丸」に手をつければ、確実に仕事は前に進む。
「本丸」とは、「誰かが直接受け取るもの」である。いきなり本丸を作り始め、最速で人に見せらせるものを作る。それによって成果につながりやすくなる。
③毎日1分でも触れる
1分でも手をつけられたら、それは先送りではない。大事なのは、作業を終わらせようとしないこと。キリのいいところまでやろうとしなくていい。途中でやめると「続きをやりたい」と思えるから、継続しやすくなる。結果のことは考えず、目の前の1分に意識を集中するだけ。これを繰り返すと、驚くほど色んなことが進んでいく。
計画の代わりにリズムを作る
計画よりも頼りになるのが「リズム」である。リズムを作ることで、いつでも最高のパフォーマンスを引き出すことができる。リズムを相棒にするためには、次の5つの要素が必要である。
- 信念:リズムが頼りになると信じる心が欠かせない
- 決意:どのようなリズムを作るかを決めなければならない
- 集中:自分で定めたリズムを遂行することに集中する
- 習慣:リズムは長く継続して守ることで成立する
- 監視:リズムを守るうえで、自分の行動に自覚的になることが不可欠である
リズムを作ることは退屈と真逆の態度で臨むことである。決められた所作に熱意を込めて1つずつ行う。同じことでも、毎回新鮮な気持ちで取り組む。「毎日を淡々とこなす」のではなく「毎日を丹念に生きる」イメージを持つこと。
計画しない。未来への期待を手放す。結果に執着しない。その代わり、直感を信じて、ビジョンに従って、リズムの力で動く。そうやって「イマココ」に身を任せると、結果はちゃんとついてくる。