自分の本当の武器を手に入れる方法 〜『「自分」を殺すな、武器にしろ』著者 瀬戸 和信さん

「一生懸命書いたのに、なかなか骨太のレビューを書いてもらえなくて・・・。それが歯がゆくて連絡しました。レビュー書いてくれませんか?」

「自分」を殺すな、武器にしろ』の著者、瀬戸 和信さんから突然の電話。

うーむ・・・。
本を書くのは本当に大変なので気持ちはよくわかります。でも、単純に瀬戸さんの本を読んで、レビューを書くのでは面白くない。もっと本について深掘りするために、瀬戸さんにインタビューさせてもらうことにしました。


瀬戸 和信(せと かずのぶ)

SONOS JAPAN 日本代表
ギャラップ認定ストレングスコーチ

外資系企業で、営業、マーケティング職を歴任。フィットビットでは「腕時計で健康増進する(Fitbit)」- 日本事業立上げメンバー、マイクロソフトでは「新しいパソコンの使い方(Surface)」- 日本の初代製品責任者、エイサーでは「必要ない機能を削ぎ落し、5万円で買えるパソコン(ネットブック)」- マーケティング責任者を務めるなど、当時日本では知られていなかった商品やサービスを海外から持ち込み、日本人の生活に溶け込ませながら新しい習慣をつくる。
2018年より現職。SONOS JAPAN日本代表として、新しい音楽のライフスタイルをつくることに奮闘中。2017年より米ギャラップ社のギャラップ認定ストレングスコーチとなり、管理者としてチーム一人ひとりの強みを引き出すことを実践中。


瀬戸さんのモテる秘訣とは

−−−−瀬戸さんと言えば、かわいい女子といつも仲良く写真に写っている印象ですが、いつもナンパしてるんですか?

ちょっと公開できないなぁ・・・(ニヤニヤ)
カッコよく言うと人が好きなんです。そして、女性と話をすると自己鍛錬になるんですよね。異性だと考え方も違ったり、女性の方が意識が高い。ウチには11歳の息子と8歳の娘がいるんですが、下の娘の方がしっかりしてるんです。
女性は内省力も高いですよね。意識の高い人と触れ合うべきだと思ってます。

僕は漫画『はじめの一歩』が好きなんですが、伊達英二というボクサーが、ボロボロになりながらチャンピョンに挑むシーンが好きなんです。伊達英二は、嫁にカッコつけたいからという理由だけで、ボロボロになりながら頑張るんですよ。きっと、男は女性にモテたいというのが根底にあるんでしょうね。

−−−−どうすればモテるんですか?

モテるのは結果論。大切なのは、うまく自分の強みを活かすことですね。僕の強みは「内省」「最上志向」「ポジティブ」「目標志向」「調和性」の5つが上位。つまり、これらが温泉の湯のように、何もしなくても湧き出てくる資質です。

「ポジティブ」が強みなので、ネガティブをポジティブに変換できる。コップに水が半分入ってると、まだ半分入っているとポジティブに捉えるタイプです。そういうところに食いついてくれる人とは気が合います。
「調和性」を持ってるので、自分と相手の共通点を探しにいこうとします。人は相手と共通点があると信頼や安心に紐づきます。
僕の中では、ポジティブと調和性という資質はかなり使われています。そこに最上志向と目標志向が加わると、より大きな効果を生み出せるんです。もちろん、モテるためだけでなく、仕事にも使えます。

相手を動かす最強のマネジメント

−−−−そもそも、なぜストレングスファインダーに興味を持ったんでしょうか?

これまでに7回会社を変えてきましたが、環境が変わって自分をうまく活かせたこと、活かせなかったことがありました。色んなチームの中で、どうやったらうまくメンバーに動いてもらえるか。どうすればいいかを考えていた時にたまたま出会ったのがストレングスファインダーでした。
ストレングスファインダー自体は、元々知っていましたが、その時に強みのテストを使えば、コーチできると思いついたんです。
ビジネスを成功させるには、一人ではできない上に、色んなバックグラウンドの人と一緒に仕事をしないといけない。ビジネスのリーダーは、コーチでもあることが必要だと思いました。

実は、日本人にはそういう考え方がないんです。ビジネスにコーチという考え方を持ち込むことがないんです。コーチングは、相手にゴールを達成してもらうために使えるツールです。コーチした結果、相手は自分事として、その目標を達成しようとしてくれます。
これは、対話型リーダーのコンセプトと言えます。上から働けと言っても、人は心底働きたいと思わないと働かないですよね。これをマネジメントするのは、非常に効率が悪い。だから、コーチングによって、相手が自ら動くように仕向けるんです。

−−−−実際にコーチになって変化はありましたか?

マネジメントが変わりました。傾聴するようになりましたね。僕の尊敬するコーチのジェレミーから聞いた話では、上司というのは部下の話を15秒聞いただけで口を挟むんだそうです。これだと相手が何を考えているのかわからないですよね。
傾聴すると相手の考えがわかります。そして、相手には自分が意見して、自分も参加したと思ってもらえます。ゴールにたどり着くために、AかBという方法がある場合、相手がいいと思った方法で向かう方がはるかに効率がいいと思います。

今回の本は、35歳以下のビジネスパーソンに向けて書いているので、自己啓発という側面に重点を置いていますが、本来コーチングはマネジメントのツールとして有効なんです。人はそれぞれ違うという点に注目して、相手の強みを活かす。そうすることで、プロジェクトやビジネスを成功させることができます。

−−−−なぜ日本ではコーチがそれほど普及していないのでしょうか?

ビジネスをやっている人とコーチをやっている人が混じり合っていないのが日本です。ビジネスをやっている人は、コーチを必要と思っていないし、コーチはビジネスを知らない。ビジネスをやる上で、コーチングスキルを使っている人は少ないと思います。

日本でコーチが普及していないのは、教育のせいかもしれませんね。日本の教育は、答えが決まっているものを教える。一方、海外の教育は自分なりの答えを見つけさせる。日本では、自分の中で答えを見つける習慣を持っている人が少ない。
コーチングとは、相手の中の答えを引き出すものなので、自分の中で答えを見つける習慣のない日本人にとって、馴染まない部分があって広がっていないのかもしれません。

しかし、こういうのを知らないと、海外の人と折衝できません。相手と意見が違うというところで終わってしまう。そこから、同じゴールに向かうということができなくなります。
もっと、ストレングスコーチの考え方が広がっていけばいいなと思っています。


編集後記

瀬戸さんがモテる理由、おわかりになったでしょうか?

『「自分」を殺すな、武器にしろ』という本には、「弱みを克服しようと努力するのではなく、自分の強みを自覚して活かしましょう」というメッセージと共に実は重要なメッセージが書かれています。

それは「人の強みはそれぞれだから、それぞれが強みを補完してチームとして成果をあげよう」というものです。自分の弱い部分は、他の得意な人にお願いする方が効率がいい。そのために、コーチングというスキルを使って、相手に自発的に動いてもらうのです。
その前提には「相手は自分とは違う。だからお互いを知り、相手を尊重する」という心が必要です。これこそがストレングスコーチの核となるコンセプトです。

瀬戸さんがモテるのは、「ポジティブ」や「調和性」といった資質の影響もあるかもしれませんが、このストレングスコーチのコンセプトを持っているからだと思います。
相手との違いを認め、尊重し、傾聴する。そして、相手の強みを引き出して、一緒に成果をあげる。それはモテますよね。

『「自分」を殺すな、武器にしろ』には、自分の強みを見つけるための方法がいくつも紹介されています。もちろん、それは自分の武器を見つけるという意味で役に立ちます。その上で、ストレングスコーチのコンセプトに触れて、多くの人にモテる人になって欲しいと思います。
瀬戸さんだけに、かわいい女子からチヤホヤされる役を与えてはいけない!

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