無印良品の「あれ」は決して安くないのに なぜ飛ぶように売れるのか?

発刊
2014年2月25日
ページ数
246ページ
読了目安
278分
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企業や商品のコンセプトのつくり方
企業や商品の価値を最大化するコンセプトのつくり方を紹介している本。
無印良品の成功の理由はコンセプトにあると説き、その重要性を語っています。


■無印良品の成功要因
現在、無印良品は品目7000点以上。およそ生活に必要とされる、あらゆるものが揃っている。生活に必要なものの、ほぼ99%をたった1つのブランドが提供している。こんなブランドが世界中にあるだろうか。常識的に考えると、こうした形でブランドが存続する事は稀である。「すべてある」は「肝心なものがない」に等しく、誰もが魅力に感じないからである。

無印良品は安くもない。当初は40品目からのスタートで、キャッチフレーズは「わけあって、安い」。しかし、長いデフレ時代を経て、無印良品の商品群は、安さに価値を置く商品ではなくなってきた。なのに、すべての分野でライバルに負けず劣らず売れている。なぜ、このような事が無印良品には可能なのか?

無印良品の成功の最大の要因は、そのコンセプトにある。無印良品のコンセプトは、日本企業が展開するものとしては、類稀な完成度を誇る。だから、見た事もない業態で、価格競争にも巻き込まれず、ブランドとしての価値を築きながら、成長し続けている。

無印良品のコンセプト

商品の幅が広がるほどイメージが薄まり、ブランド力が落ちていく。無印良品の取扱品目は7000点以上もあり、用途もバラバラである。なぜ、無印良品のブランド力は落ちないのか?

それは売っているのが「たった1つの商品」だからである。彼らは、それを「感じの良いくらし」と表現している。唯一の商品は「無印良品のくらし」なのである。無印良品では、すべての商品が、無印良品が考える「くらし」を実現するために開発され、売られている。ごく自然な、無理をしない「感じの良いくらし」である。この1点において、無印良品は全くと言っていいほど、ブレがない。

「これがいい」ではなく「これでいい」。この「で」は、消費社会に対する高度な批評になっているばかりでなく、無印良品が設立以来、突き詰めてきたコンセプトのエッセンスが示されている。無印良品が優れているのは、「これでいい」の「で」というコンセプトを徹底的に追求する仕組みを持っている事である。

新しいコンセプトや戦略は、低い目線で、狭い領域を見ていては絶対に生まれない。競争のルールを変え、世界を変えていくには、物事をいったん分解して本質を取り出すこと、さらに取り出したいくつかの本質を組み合わせて、新しい仕組み、体験につくり上げていく作業が必要である。

コンセプトの4つの働きと3つの性質

・働き
①力を束ねる:やることを明確にすれば、力は1点に集中する
②在り方を決める:世の中で「どのような存在なのか」を明確に発信する
③行動を指示する:良いコンセプトは必ず行動を指示し、行動を喚起する
④価値を最大化する:コンセプトの使命は、ブランドの価値を最大化する事である

・性質
①本質とつながっている
本質から外れたものをコンセプトとすると、ズレが目立ち、結局うまくいかない

②寿命がある
突き詰めた、曖昧さがないコンセプトは、100年の使用に耐える

③決断に左右される
コンセプトをコンセプトとして機能させるには「コンセプトをコンセプトとして扱う事を決める」事である。もし、そのコンセプトが機能していないなら、関わる人がそのコンセプトをきちんと扱っていない可能性が高い。

コンセプトのつくり方

コンセプトは「現在地」「資産」「戦略」の要素をすべて貫き通す事が必要である。

・現在地:全ての外的な条件を把握し、現在地を把握する
・資産:事業で活用できるすべてのものを明確にする
・戦略:最も困難な課題に真正面から取り組んでいるのが良い戦略である

そして、コンセプトは、誰にでも意味の分かる明解さが必要である。コンセプトは理解されてこそ力を発揮する。

 

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