会社の老化は止められない――未来を開くための組織不可逆論

発刊
2013年4月5日
ページ数
240ページ
読了目安
350分
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思考も行動も老化した会社はどうすればいいのか
会社も人間と同じで老化する。ルールや規則の増加、ルーチンワークの増加、社内評論家の増加、官僚主義など、組織が抱える問題の原因を解き明かしながら、その対策を考える。


■会社も老化する
人間と同様、会社は生まれた瞬間から老化が始まる。それは会社が持っている「不可逆性(変化は一方通行)」という性質による。例えば「ルールや規則の増加」「部門と階層の増殖」「過剰品質化」「顧客意識の希薄化」「社内政治家の増殖」「人材の均質化・凡庸化」というように、会社の老化は進行していく。

老化という人間では当り前の法則が、会社では当り前でなく、すべての会社は永遠の命を持っていて成長し続けるという前提で動いているように見える。人間の場合、見た目が異なるから、本人も周囲も老化を認識する。しかし、会社の老化は気付きにくい。それは、成長の延長線上に老化があるからである。

会社の老化原因

会社が不可逆プロセスをたどる要因は、物理的側面だけでなく、心理的側面も関係している。

・物理的側面
①膨張する(組織の肥大化、地理的拡大)
②バラバラになる(求心力の低下)
③混合する(人材の均質化、カルチャーの統合)
④乱雑になる(理念、戦略性の喪失)

・心理的側面
①変化に抵抗し、それまでの習慣に固執する
②一度得たものは手放せない
③期待値ではなく、リスクの大きさに反応する
④水は低きに流れる(楽な方向に流される)
⑤手段が目的化する(目的よりも具体的な手段の方が見えやすい)
⑥縄張り意識を持つ(全体最適よりも部分最適を優先する)
⑦知れば知るほど近視眼的になる(一度知ってしまったものをリセットできない)

老化した会社の「止められない」症候群

会社が老化すると、以下のような事象が起こる。

・スタンプラリー(承認者が増加し、責任回避の手段として働く)
・部門の細分化(仕事が専門分化する)
・会議の肥大化(組織の細分化に伴い、コミュニケーションコストが増加する)
・階層の細分化(従業員の増加により、管理職の範囲が増える)
・官僚主義(縄張り主義と権威主義に行き着く)
・予算の増加(一度立てた予算は全額消化するという暗黙の常識にとらわれる)
・コミュニケーション時間の増加(報連相の過度な徹底に時間を費やす)
・証拠づくり(中身より箱重視の姿勢)
・規則の増加(規則やルールによる統制)
・加点主義から減点主義への変化(評価指標が最大公約数的なものになる)
・社内評論家の増加(減点主義により、リスクを追うない評論家が増加)

会社の老化に対応する方法

会社の老化を止めるには、次の3つの事が考えられる。

①老化を運命として受け入れる
まず「会社の老化は止められない」という現実を肝に銘じ、無駄な抵抗をしない。老化の症状や弊害を可視化し、思考停止に歯止めをかけることが重要である。

②老化をリセットする
世代交代を行なう。会社における世代交代とは、経営者や社員の世代交代ではなく、根本的な考え方や価値観が移行することである。日本の会社が世代交代を実現するには、「子会社」の存在が大きい。子会社の主導権を親会社が握るのではなく、独立させるべきである。

③「眠れるイノベーター」を活用する
老化した組織では、イノベーターは「異端児」として迫害され、行き着く先は普通の人に埋没するか、外に出て行くかである。イノベーションを起こすためには、「イノベーター」と「アンチイノベーター」との適性を見極めた上で適切に「切り分ける」必要がある。新しい事は次世代に任せ、そのために必要なヒト・モノ・カネとノウハウを提供する方が良い。

 

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