毒になるテクノロジー iDisorder

発刊
2012年8月24日
ページ数
321ページ
読了目安
520分
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インターネット中毒が脳も心も蝕む
スマートフォン、SNSなどのテクノロジー依存症によって、様々な精神疾患が起こっている。便利な反面、そのデメリットも理解しなければ、脳も心も毒されると説く。
テクノロジーとの正しい接し方を紹介しています。


■テクノロジー依存による精神疾患
・フェイスブックで嫌味をいわれた若者が、侮辱的表現でやり返す。
・朝、学生が携帯電話を家に置き忘れてきた事に気づき、授業を欠席する事を承知で自宅に戻る。
・会社員の夫が、夕食の席でずっと携帯電話から目を離さず、妻や子供から話しかけられても反応しない。
・母親が夕食の準備ができたと何度も声をかけるが、子供はゲームに夢中。

今、私たちが目にしているものは、新しい疾患である。それはテクノロジーやメディアの過剰な利用によって生じる、様々な精神疾患の症状や兆候である。これをiDisorder(=i+障害)と名付ける。

私たちはどこへ行くにもハイテク機器を携帯するようになり、何をするにもそれらテクノロジーに依存するようになった。これがiDisorderを生じさせる原因である。私たちの多くには、iDisorderの兆候が見られる。テクノロジーと密接に結びついた現代社会では、必然的な現象とも言える。

iDisorderの兆候と症状

①自己愛性パーソナリティ障害
メディア利用に多くの時間を費やしている人は、世代を問わず自己愛傾向が高い。インターネットでは、様々な自己愛表現を行いやすい。ブログ、SNSなど文章を書けるし、動画、写真共有サイトに簡単に動画や写真を投稿できる。

②強迫神経症
機器が好きで長時間ネットサーフィンをし、ソフトウェアや携帯アプリを頻繁に使用する。大事な情報を逃さないか不安で、インターネットや携帯電話から目が離せない。私たちは絶えずハイテク機器を使い、大切な情報を逃しはしないかと不安に駆り立てられている。

③依存症
インターネットや携帯電話の過剰な使用には、ドラッグやアルコールなどの薬物中毒と類似性があり、金銭問題、失業、人間関係の破綻をもたらすといった研究報告もある。

④双極性障害
私たちが、テクノロジーと関わることによって、うつ病や躁病の症状に似た兆候を示していることは明らかである。私たちは「感情伝染」によって他者の気分に影響される場合がある。伝染のもととなる他者の気分は、様々な電子的手段を通じて伝えられる。

⑤ADHD(注意欠陥/多動性障害)
今どきの電子機器は、長時間1つのことに集中していられないようにできている。私たちの脳はマルチタスクが増えるほどストレスと負荷を感じ、結果としてどのタスクもうまく行えなくなる。

iDisorderの対策

iDisorderを避けるために、テクノロジーの使用を止めることは現実的ではない。最善策は、テクノロジーの適度な使用、つまり、バランスである。

①脳をリセットする
研究では、ほんの数分間、自然に触れるだけでストレスが減り、情報処理能力が高まることがわかっている。また、音楽を短時間聞くだけで脳がリセットされる。他にも、熱い風呂、大声で笑うことも脳の回復を早める。

②気が散る対象を取り除く
マルチタスクの頻度を少なくし、目の前の作業に集中しやすい環境を作る。作業環境から気が散る対象を排除する方法には、デジタルダイエット、IT断食などがあるが、実践は簡単でない。バランスが大切である。

③テクノロジー休憩を利用する
テクノロジー休憩では、仕事に集中する時間と、テクノロジーを使う時間を設定する。タイマーをセットし、アラームが鳴ったら携帯電話やノートパソコンをチェックする。

④印象操作2.0
自分がインターネット上に書き込んだ内容から、他者が受け取る印象を操作する一方で、「ソーシャル・キャピタル」を調整する。

⑤コンテキストに注意を払う
電子的コミュニケーションでは、相手は見えないが、相手が身体と心を持つ存在だということを忘れない。メッセージの送信、投稿前に5分間の待機時間を作る。

 

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