ビッグデータビジネスの時代 堅実にイノベーションを生み出すポスト・クラウドの戦略

発刊
2011年11月9日
ページ数
258ページ
読了目安
330分
推薦ポイント 2P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

ポスト・クラウドの戦略
2010年代の情報・通信分野における重要なテーマ「ビッグデータ」に関して、その大枠を理解できる本。国内や海外におけるビッグデータの活用事例や現状の課題、これからの動向などが書かれています。


■ビッグデータとは
ビッグデータとは「事業に役立つ知見を導出するための『高解像度』『高頻度生成』『多様』なデータ」と定義される。ビッグデータビジネスは、これらビッグデータを用いて社会・経済の問題解決や、業務の付加価値向上を行う、あるいは支援する事業である。

消費者動態などのデータを取得・生成して、そこから知見を導出し、事業にフィードバックしようという考え方自体は、数十年前から存在していた。しかし、当時は、電子マネーもGPS搭載携帯電話もSNSもクラウドもなかった。

しかし、この10年間に電子化・自動化を目的としたIT活用投資が進められたことにより、大量のデータが「付随的に」「おのずと」蓄積されるようになった。使えるデータがたくさんある状態になったため、めざとい事業者はデータを使うことによって事業の高度化・効率化を実現しようとしている。2010年代には、事業に効用をもたらすようなデータをコストをかけてでも積極的に取得しようとする動向が必然となる。

ビッグデータビジネスのプレイヤー

ビッグデータビジネスの事業者は、3つに分類される。

①利用サイド事業者:製造、流通、金融などの事業者
新しい付加価値を提供するためのイノベーションが求められており、その方法論の一つがビッグデータの活用である。電子化・自動化が進んだ結果、膨大なデータが生成・蓄積されている。このデータを活用し、知見を導出することが求められている。

②支援サイド事業者:従来のITベンダなど
「電子化・自動化」に関するIT投資の一巡、ICT市場の縮小、基本的な計算能力・ストレージ容量等の費用対効果の向上、ビッグデータ活用を支える技術・商材の登場といった背景により、ビッグデータビジネスへの取り組みが進む。

利用サイド事業者において、死蔵・垂れ流しされているビッグデータの可能性について、その効用への気づきを与えることが重要な業務になる。

③内製事業者:技術的基盤を内製しているウェブサービス事業者
グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの4強は、消費者に関する一般的なデータを保有し、それを活用することで、競争力を獲得している。

これら4強以外にも、Twitter、Paypal、foursquareなどが独自データを保有し、競争力を獲得しつつある。国内では、クックパッドが「食の検索データ」を食品メーカーや流通業者に対し、販売するといった事例もある。

ビッグデータの活用事例

・フォードの自動車開発
フォードは、より理想的な操縦性と高い燃料効率を提供することを目的に、グーグルと提携した。運転データやGPSのデータから、「どこへ向かおうとしているのか」をリアルタイムで予測するために、機械学習技術を用いるとしている。

・アマゾンのポピュラー・ハイライト
電子書籍端末キンドルにおいて、ユーザーが電子書籍上で面白いと感じた箇所に対し、下線を引き記録したデータは、他の利用者と共有できる。今後、有効な販売促進の施策となるだろう。

・VISAカードの不正検知
VISAではクレジットカードの決済上の不正傾向を、発生と同時にリアルタイムに把握することを重視している。

ビッグデータビジネスの将来

今後、以下の動向が予測される。

①オフラインとサイバーの連携強化、デバイスの重要性が増大する
オフライン空間における事象を、より精緻なデータに変換していくことの重要性が高まる。位置データや様々なデバイス(体重計、目覚まし時計等)から取得しうるデータの利用を通じて、ユーザーの属性や動態を把握することが可能となる。

②事業者が保有するデータの活用・流通が進む
さらなるデータ活用を目指して、事業者間でのデータの流通市場が形成される。

③セキュリティ施策の必要性が増大する

 

あわせて読みたい