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人が意思決定を間違う理由
誰もが陥ってしまう「思考の落とし穴」のパターンを52個のエピソードと共に紹介。様々な思考の落とし穴を知っておくと、より良い意思決定ができるとする。
『影響力の武器』や『予想どおりに不合理』などの行動経済学の名著に書かれているようなことが、わかりやすく理解できます。
■思考の落とし穴とは
「思考の落とし穴」とは、合理的に考えたり、論理的で理性的な行動をとろうとしたりする時に、一定の法則にしたがって陥る推論の誤りの事である。私達はよく、誤った判断を下してしまう。例えば、自分の知識を過小評価するよりも過大評価する事の方がはるかに多い。「思考の落とし穴」を自覚していれば、大きなダメージを受けるのを防げるようになり、手遅れにならない。
■生き残りのワナ
日常においては成功が失敗よりもはるかに目立つために、成功への見通しを甘く見て過大評価してしまう。私達の耳には成功談しか届かないので、ミュージシャンや作家として成功を収める事がどれほど難しい事であるかには気が付かない。同じ事は、カメラマン、企業家、芸術家、スポーツ選手といった人達にも当てはまる。メディアは挫折者の墓を掘り起こす事にはあまり関心がない。生き残りのワナを防ぐ方法は、挫折者が眠る「墓場」を訪れてみる事だ。
スイマーズボディ幻想のワナ
プロの水泳選手の肉体が完璧な形をしているのは、とことんトレーニングを積んだからではなく、もともと体格がいいから泳ぎがうまくなったのである。水泳をしたから美しい姿になったのではない。化粧品のコマーシャルに登場する女性モデルもしかりだ。消費者の多くは、その化粧品を使えば自分もきれいになれると幻想を抱く。だが、その商品を使ったからといってモデルになれる訳ではない。私達は何かを選択する時に、欲しい結果やなりたい状態だけを理由に選択してしまう。
自信過剰のワナ
私達は、一定の法則にしたがって自分の知識と能力を過大評価する。但し、そもそも「自信過剰のワナ」が存在しなければ、世の中の経済的な動きも今ほど活発でなかったかもしれない。例えば、レストランの経営者なら誰もが自分の店を一流にしたいと夢見るだろう。だが現実は、大抵の店が3年後には潰れてしまう。あらゆる予測に対し、疑いの目を向けるように心がけよう。
社会的証明のワナ
「社会的証明のワナ」とは、「他の人と同じように行動するのが正しい」と思ってしまう傾向を言う。多くの人が正しいと感じていればいるほど、その考えが正しいと思い込む事だ。「社会的証明のワナ」は、株式市場において、バブルやパニックを引き起こす。また、ファッションの流行、宗教やダイエットなどあらゆるジャンルに見られる。企業が自社商品を「一番売れているから優れた商品である」と主張する場合には要注意だ。「一番売れている」というだけで、どうしてその商品が他の商品よりも優れている事になるのだろうか。
サンクコストのワナ
「サンクコスト(埋没費用)」とは、もはや回収できない費用の事を言う。客観的に見ればそれまでにつぎこまれた資金がもはや何の意味もなさない時でさえ、多大な出費をした事がそのプロジェクトを継続する理由になってしまう。既に注ぎ込んだものを重視し「もったいないから」と考える。膨れ上がった費用や損失を無視してこそ、合理的な決断ができる。これまでに何をどれだけ費やしていようが、現在の状況と今後の見通しだけに目を向けるべきだ。
確証のワナ
「確証のワナ」とは、新しい情報を自分の意見や信念に無理やり合わせて解釈する傾向の事を言う。別の言い方をすれば、自分の考えと一致しない情報をフィルターにかけて見ないようにする事だ。企業では特に「確証のワナ」の嵐が荒れ狂う。例えば、取締役会で新たな経営戦略の導入を決定しようとしている時、出席者の前には戦略が成功する可能性が高い事を示す証拠ばかりが並んでいる。失敗しても、それは「特殊なケース」や「予測不可能な事態」であると片づけられる。「特殊なケース」という言葉が出てきたら、注意深くなろう。背後には「反対の証拠」が隠れている事がある。
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