WILLPOWER 意志力の科学

発刊
2013年4月22日
ページ数
355ページ
読了目安
562分
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自分の意志をコントロールする方法
自分をコントロールする「意志の力」は、筋肉のように疲労したり、回復したり、鍛えられるものだと提唱している心理学者が、科学的な知見をもとに、意志力とは何かを解説。


■自己コントロール能力は人生の成功の鍵
心理学的に、人生で「うまくいく結果」を予見させる資質を探ると「知能」と「自己コントロール能力」の2つに行き着く。今のところ知能を高めて維持する方法は、わかっていないが、自己コントロール能力を高める方法は見つかっている。

衝動買いや借金、暴力、成績不振、アルコールや薬物の乱用、運動不足、友人を失う、離婚などの大部分は、主に自己コントロール能力の不足が原因で生じる事がわかってきた。

■意志力とは何か
「自我(エゴ)消耗」は、人の思考や感情や行動を規制する能力が減る現象を指す。人は精神的疲労に勝てる事もあるが、意志力を発揮したり決断を下したりする事でエネルギーを使い果たせば、やがて誘惑に負けてしまう。

自我が消耗すると、自己を制御する上で極めて重要な脳の部位である前帯状皮質の働きが鈍くなる。脳の動きが鈍ってエラー検出能力が低下し、反応をコントロールするのが難しくなる。その結果、自我を消耗した人は、感情だけでなく欲望も強く感じるようになる。つまり、意志力を弱めると同時に、欲望をそれまで以上に強く感じさせる。

目標を絞って集中する

意志力について調査の結果、2つの教訓が浮かび上がってくる。

①意志力の量には限りがあり、それは使う事で消耗する
②すべての種類の行動に用いられる意志力の出所は1つである

人はいらいらする渋滞に耐えるにも、美味しそうな料理を我慢するにも、すべて1つの貯蔵庫から引き出した意志力を使っている。意志力を使用する事柄は、4つに分類できる。

①思考のコントロール
②感情のコントロール
③衝動のコントロール
④作業パフォーマンスのコントロール

自己コントロール能力を向上させる方法の1つは、「1度に1つに絞って集中する」というものだ。自己改善の目標を同時に2つ以上立てた場合、消耗の度合いがより大きくなるため、後から大きな失敗をする可能性が高くなる。例えば、禁煙をしたいと思ったら、その期間は他の習慣を変えない方が、良い結果を出す事ができる。何よりもしてはいけないのが、リストにずらりと目標を並べる事だ。

エネルギーを補給する

脳の細胞が信号を送るのに必要な神経伝達物質はグルコース(ブドウ糖)から作られる。グルコースが不足すると、脳は活動する部位を変える。その結果、人は考える事ができなくなり、自己コントロール能力が低下する。グルコースを味方につけてうまく働かせるポイントは次の通り。

・空腹時に重要な仕事に挑まない
・砂糖は血中のグルコース濃度を急上昇させた後、急降下させて消耗させる
・GI値の低い、野菜やナッツ類、たんぱく質を撮り、炭水化物を控える
・睡眠をとり、体を休める

守るよりも、攻めの戦略を

自己コントロールとは欲求に逆らう事だ。しかし、自己コントロール能力が高い人の方が意志力を使う事が少ない。それは、誘惑にさらされて内部に葛藤を抱え込まないからだ。彼らは問題になりそうな状況を避けるのがうまい。

自己コントロール能力が高い人は、一貫して生活にストレスが少ない。彼らは時間をかけて1つのプロジェクトを完成し、車が故障する前に整備工場に持っていき、食べ放題の食事は避ける。守るのではなく攻めているのだ。攻めの戦略は次の通り。

・先延ばしを続けない
・きちんとした食事、睡眠、整理整頓を忘れない
・難しい決定を行った後、自己コントロール能力が弱まっている事を忘れない
・誘惑に逆らおうとしたが諦めた場合でも、意志力は消耗する
・消耗しているという明らかな「感じ」はないので、かすかなサインを見逃さない
・意志力の使い方まで計画する
・1つの作業しかやってはいけない時間をつくる
・行動を細かく記録して、目標を確認する
・小さなご褒美をたくさん用意する

 

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