決定版・ゲームの神様 横井軍平のことば ものづくりのイノベーション「枯れた技術の水平思考」とは何か?

発刊
2012年9月21日
ページ数
207ページ
読了目安
156分
推薦ポイント 6P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

伝説の任天堂開発者のものづくり哲学
『ゲーム&ウォッチ』『ゲームボーイ』を生み出し、任天堂を躍進させる原動力となった開発者、横井軍平氏のものづくり哲学を紹介している。

横井軍平氏の哲学は「枯れた技術の水平思考」と言われ、現在の任天堂の考え方の根幹ともなっている。その考え方とは、次の2点。

①散々使いこなされ、コストが安くなった技術を用いて、コストバランスをとりつつ、シンプルなものづくりに徹すること。

②現在利用されているジャンルから離れ、全く別のものに置き換えて使うことにより、新しいものを生み出すこと。


日本のものづくりの危機を打開するためには、横井軍平氏の哲学を見直す時であるとし、その多くの言葉が掲載されている。商品開発や新しいサービスを考える上で、参考になる一冊。

人間の本能がゲームの原点

どういう発想でものが売れるかを考えるには、人間の本能を知らなければダメ。その本能とは「セックス」である。ゲームとは競い合いであり、そのルーツは殺し合い。その一つ奥の原点というのは、雌をめぐる雄同士の戦い合いである。勝つことで多くの雌に自分の子孫を生ませる。地球上の動物ほとんどがそうなのだから。そういう感覚でものを見なければ、何が売れるか売れないか、わからない。

古いものを今の技術で可能にする

どうしたら発想は出てくるかと、良く聞かれるが、その度「もう一回子供から始めて、いろんなものに興味を持ちなさい」とアドバイスする。私の発想とは、古いものを今の技術で可能にすること。ものによっては、その頃まともにやってたら到底値段が合わないものが、技術革新で安くなって、今だから可能だというものがある。

アイデアとは、子供の頃思ってた「不可能」なことを、いま雑誌などを見て、新しい技術のきっかけというか、ぱっと引っかかるものがある。

枯れた技術の水平思考

技術というのは最先端を使うべきでない。儲かる商品づくりには最先端はかえってマイナスになる。散々使いこなされて、枯れてきた技術を、水平思考、つまりまるっきり違う目的に使うことによって、ヒット商品というものは生まれ出る。

電卓をそのまま垂直思考したのでは、電卓のままだが、そこまでこなれた枯れた電卓技術を水平思考して、ゲームというものに置き換えたからこそ『ゲーム&ウォッチ』がヒットした。『ゲームボーイ』も同じことが言える。液晶技術が枯れてきた。値段が非常に安くなり、『ゲームボーイ』が1万円を切る値段で発売できた。それがヒットにつながった。

世界にない商品をつくる

開発哲学は、とにかく世界にはないものをつくるということ。世界にない商品をつくれば、それによって新しい独占市場を手にすることができる。似たような商品をつくれば競合して、シェア争いになる。そんなシェア争いをするなら、新しいシェアをつくった方が手っ取り早い。

ただし、世界にない商品をつくるということは、世界の最先端をゆく、世界にはまだない技術を使おうということではない。「最先端」にこだわり、「不要」なものを沢山つけて「高価」な玩具をつくるとしたら、それこそ大企業病である。娯楽の世界では高い商品は誰も買ってくれない。

今、常識のようになっている「十字キー」と呼ばれるコントローラーがある。当時のコントローラーはジョイスティックというもので、大変コストがかかるものだった。どうしたら安くなるかという思いで作った。

 

あわせて読みたい