多くの経営者に読み継がれている『ビジョナリー・カンパニー』
ビジョナリー・カンパニーは、卓越した企業に共通する点から、その成功の法則を導き出している本です。1、2では成功した企業の理由を解き明かし、3では成功した企業が衰退してしまった原因を取り上げています。そして、最新作の4では、不安定な環境においても、躍進した企業に注目し、企業が成功するのは単なる幸運に恵まれただけではないことを明らかにしています。
今回はビジョナリー・カンパニー1〜4をまとめておさらいします。
時代を超える生存の原則
ビジョナリー・カンパニーに必要なことは、次の通りである。
①基本理念がなくてはならない。
②進歩への意欲を常に維持しなければならない。
③基本理念を維持し、進歩を促すための、一貫性がとれた組織でなければならない。
ビジョナリー・カンパニーの真髄は、「基本理念」と「進歩への意欲」を、組織のすみずみにまで浸透させることにある。そして、ビジョンのために、一貫性を持たせることが必要である。
飛躍の法則
偉大なる企業へ飛躍するには、以下のの概念を順番に達成する必要がある。
①規律ある人材
・謙虚でありながら、不屈の精神でなすべき事をするリーダーシップが必要
・最初に適切な人を選び、その後に目標を選ぶ
②規律ある考え
・厳しい現実を直視する
・世界一になれ、情熱を傾けられる分野を選び、利益の指標を導き出す。
③規律ある行動
・規律のある企業文化を築く
・技術を適切に利用する
衰退の五段階
強大な企業がいかに衰退するかを示す段階的な枠組みは五段階で構成され、それぞれの段階を順番に経過する。
第一段階「成功から生まれる傲慢」
第二段階「規律なき拡大路線」
第三段階「リスクと問題の否認」
第四段階「一発逆転策の追求」
第五段階「屈服と凡庸な企業への転落か消滅」
自分たちが衰退への道を歩んでいると分かった時は、規律ある経営慣行を厳守することが必要である。
自分の意志で偉大になる
不安定な環境下で目覚ましい成長を遂げ、偉大になった企業は、次の行動をとっている。
①徹底した「行動の一貫性」を示す。
②科学的に実証できる根拠を頼りにする。
③最悪の状況を想定して日頃から準備を怠らず、リスクを抑える。
3つの行動を実践することで、遭遇する運から最大限の成果を引き出すことが飛躍した企業に共通する点である。
4部作に共通することは「規律」。経営にとって、最も重要なことはビジョンへ向けて規律ある行動を取ることだと言えそうです。