モノの流れをつくる人-大野耐一さんが伝えたかったトップ・管理者の役割-

発刊
2013年3月19日
ページ数
214ページ
読了目安
243分
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推薦者

トヨタ生産方式の要諦
企業が、トヨタ生産方式を導入するにあたって、トップと管理者はどのようにすべきか。トヨタ生産方式を作り上げた大野耐一氏から、直接教えを受けた著者が、トヨタ式の製造マネジメントのポイントを紹介しています。


■トヨタの管理者の務め
トヨタの製造部門の管理者は、何と言ってもモノの流れが速く、異常時のための在庫を持っていない「トヨタ生産方式」のモノづくりで部や課を運営しているため、不具合が生じると自部署のラインのみならず、瞬く間に関連部品ライン、ユニット・アッセンブリー、果ては組立工場までラインストップしてしまう環境下で、いち早く事を収める必要がある。

日常的にも、自ら現場に出て情報収集する管理者や、自分で完成品在庫や仕掛けかんばんの遅れを状態を確認したり、作業者が標準を守って仕事をしているかを確認したり、不具合の未然防止に時間を割く事も管理者の務めと考える管理者が大部分であった。

現場の見方の基本「モノの4つの状態」

製造現場にある素材、仕掛品、手直し品、製品など全部をまとめて「モノ」と称する。モノはそれぞれの状態に合わせて4つに区分される。

①停滞(何もされていない状態)
シフト差分、客先稼働日との差分、年休用、不良手直し品、定期修理用、運搬待ちの余分な完成品、収容数の多いパレットなど

②検査(加工されたモノの規格の良否を確認されている状態)
工程内の検査品、測定室に持ち込んでの検査品

③運搬(運ばれている状態)
コンベア上を運ばれている状態、工程間・ライン間を運ばれている状態

④加工(モノの形が変わること)
設備で切削されたり、部品を溶接、組み付けられたりされている状態

この4つの状態の内、「加工」はモノの形が変わるため、付加価値が上がる。そして「モノ」は最終工程に近付いていく。一方で、停滞・検査・運搬は、形が変わらず付加価値は上がらない。それだけでなく、工数をかければかけるほど製造原価は上がる。大切なのは、工程の実力を上げて、「停滞・検査・運搬」を減らして「加工」の比率を上げる事である。これを「流れ化」と呼ぶ。「流れ化」こそがトヨタ生産方式の肝で、生産工場の活動の最重点項目である。

「停滞・検査・運搬」を削減するには、以下のような方法がある。

①停滞
停滞理由と期限と管理責任者名を書かせる、完成品収容数を減らす、かんばん単位の後工程引き取り、段取り取り替え短縮

②検査
工程内検査で品質保証、部品別工程別専用検査工具の使用

③運搬
工程間を近づける、定量運搬、かんばん単位の後工程引き取り

資金はモノに変わって寝るだけでなく、モノそのものは「停滞・検査・運搬」で付加価値のない仕事に多くの労務費を費やす。

モノの流れ化を推進する

「トヨタ生産方式」で運営されている製造現場の管理者は、「モノの流れ化」を推進する環境を部下のために作らねばならない。「流れ化」は、まず次のような順序で進める。

①工程間が離れているのをつなぎ、一個流しにする
②さらにつなぐ機械台数を増やし、完成品まで一個流しにする
③先入先出の完成品置き場をつくり、一日の必要数ができたら加工を止める
④他の部品ラインにも順次展開していく

流れ化ができると、次に設備故障によるライン停止の課題が出てくる。この段階では、設備の保全体制をつくっていく環境づくり(在庫確保など)を行う。トヨタ生産方式は、従来のロット生産に比べるとモノの流れが数倍速く、設備故障に対する処置のスピードが一番大事となる。

大野耐一さんの生産性目標達成の理念は、「利は流れ化の余剰なり」。モノの流れを追求していけば、必ずや利益は出てくるに決まっている。

 

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