ビジョナリー・カンパニー 2 飛躍の法則

発刊
2001年12月18日
ページ数
360ページ
読了目安
538分
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偉大な企業になるための法則
そこそこ良い実績の企業がどのようにすれば、偉大な企業になれるのか。偉大な企業になるために成功の法則を示す。
株式運用実績が史上平均の3倍以上になったことを基準に、飛躍した企業11社と飛躍できなかった企業との分析を基に、飛躍した企業の共通点を解く。

偉大なる企業への変化の過程社長の書棚―決断をささえる一冊―

偉大なる企業への変化の過程には、3つの段階がある。各段階のそれぞれに主要な概念があり、この概念を順番に達成することで、偉大なる企業へと飛躍することができる。

①規律ある人材
・第五水準のリーダーシップ
・最初に人を選び、その後に目標を選ぶ

②規律ある考え
・厳しい現実を直視する
・針鼠の概念

③規律ある行動
・規律の文化
・促進剤としての技術

 

第五水準のリーダーシップ

飛躍した企業のすべてに共通する点は、第五水準の経営者に率いられていたことである。第五水準とは「個人としての謙虚さと職業人としての意思の強さを持ち、偉大さを持続できる企業を作り上げる」という経営者として最高水準の能力の事を指す。
第五水準の経営者の野心は会社に向けられていて、自分個人に向けられていない。謙虚でありながら、不屈の精神でなすべき事をする。

最初に人を選び、その後に目標を選ぶ

飛躍をもたらした経営者は、まずはじめにバスの目的地を決め、次に目的地までの旅をともにする人びとをバスに乗せる方法をとらない。
まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている。それは以下の理由による。

・「何をすべきか」ではなく「誰を選ぶか」から始めれば、環境変化に適応し易い。
・適切な人たちがバスに乗っていれば、動機付けや管理の問題がなくなる。
・不適切な人たちばかりでは、正しい方向がわかっても、偉大な企業にはなれない。

一方で偉大になれなかった企業には、一人のカリスマが最初に目的地を決め、その後に自分の考えを実行する兵士を選ぶことが多い。この場合、カリスマが退いた後に失敗する。

厳しい現実を直視する

飛躍した企業はすべて、自社が置かれている状況の真実を把握しようと、厳しい現実を直視する態度を持っている。そのために、上司が意見を聞く機会を設け、真実に耳を傾ける社風を作る必要がある。

針鼠の概念

偉大な企業になるには、単純明快な概念(針鼠の概念)を確立する必要がある。そのためには、次の3点を理解する必要がある。

①自社が世界一になれる部分
②情熱をもって取り組めるもの
③経済的原動力になるもの:自社の経営判断指標になる「×当たりの利益」を探す。

上記の3つの領域が重なる部分を明快にし、それをもとに一貫性のある目標と戦略を設定することで、企業は成長する。飛躍した企業は、針鼠の概念の確立に平均4年かかっている。針鼠の概念は、反復の過程で確立される。

規律の文化

ほとんどの企業は、バスに紛れ込んだ不適切な人たちを管理するために、官僚的な規則を作る。すると適切な人たちがバスを降りるようになる。
偉大な業績を維持するには、自ら規律を守り、規律ある行動を取り、針鼠の概念を熱狂的に信奉する人たちが集まる企業文化を作り上げることが必要である。

促進剤としての技術

技術は適切に利用すれば、業績の勢いの促進剤になるが、勢いを作りだす訳ではない。企業は自社にとって、どのような技術が重要なのかを針鼠の概念を基に採用すれば良い。