ビッグデータの衝撃――巨大なデータが戦略を決める

発刊
2012年6月29日
ページ数
7ページ
読了目安
10分
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今後のIT分野のビジネストレンドがわかる
ITの分野で注目される「ビッグデータ」の解説と多くの事例が掲載されている本。


■ビッグデータとは
「既存の一般的な技術では管理するのが困難な大量のデータ群」と定義される。管理が困難になる要因は、3V(Volume:量、Variety:多様性、Velocity:発生頻度、更新頻度)で表される。

広義では「3Vの面で管理が困難なデータ及び、それらを蓄積・処理・分析するための技術、さらに、それらのデータを分析し、有用な意味や洞察を引き出せる人材や組織を含む包括的な概念」と定義される。

■なぜ今ビッグデータなのか?
ビッグデータは新しい概念ではない。ゲノム解析や宇宙開発の分野でも、スーパーコンピュータを利用した膨大なデータの分析処理は行われてきた。しかし、従来とは違う要因によって、その活用が注目されている。

①ビッグデータの民主化
ビッグデータが、フェイスブックなど、日々の生活に密着した環境から生成されるようになった。

②ハードウェアの価格性能比の向上、ソフトウェア技術の進化
ディスク価格の下落、大量データを汎用品のサーバで高速に処理できるソフトウェア技術「ハドゥープ」の登場により、ビッグデータの蓄積・処理の敷居が低くなった。

③クラウドの普及
クラウドコンピューティングの台頭で、資金に乏しいベンチャーでもビッグデータの分析が可能になった。

ビッグデータの活用例

①アマゾン
大量の購買履歴やクリックストリームデータをもとにした「この商品を買った人はこんな商品を買っています」というレコメンデーション機能

②フェイスブック
「もしかして知り合いかも?」機能。フェイスブックはある期間内に一定数以上の友達を見つけることができれば、そのユーザーはフェイスブックを長時間使い続けるということを掴んだ。

③ネットフリックス(オンラインDVDレンタル)
顧客が「見たい映画リスト」に登録した作品数と会員の契約期間の間に相関関係があることを発見した。そのため、ネットフリックスでは、「見たい映画リスト」への作品追加を強力に勧める。

④グーグル
検索ワードの「もしかして」機能、「グーグル翻訳」「音声検索」など、統計的学習手法によって、価値あるサービスを次々に生み出している。

⑤イーベイ(ネットオークション)
イーベイはウェブサイトのデザインを頻繁に変更している。目的は、サイトを訪れたユーザーが気持ちよく利用してくれるようにデザインやインターフェースを最適化すること。ちょっとしたメニューの変更やリンクの配置で売上が大幅に変わってくる。

⑥ジンガ(ソーシャルゲーム)
ジンガは、ユーザー行動に関するデータを細かく取得するためにフェイスブック・プラットフォームに依存している。これらの情報を使い、ユーザーが友達を誘ってゲームに参加させる仕組みを考え出した。
ジンガのゲームは「3クリックテスト」と呼ぶテストをクリアした後にリリースされる。最初の3クリックの間にユーザーはゲームを続けるか、やめてしまうかを決めている。3クリックでユーザーを惹き付けることができなければ、長期のヒットは望めない。

⑦セントリカ(ガス・電力)
スマートメーターから送信されるデータを分析して、顧客のエネルギー消費パターンの分析を行っている。これをもとに「ユーザーのカテゴライズ」「料金メニューの開発」「将来の消費動向の予測」などに活用している。

⑧カタリナマーケティング(レジ・クーポン開発)
カタリナマーケティングは、ポイントカードなどによって顧客を識別し、POSとの連動により、顧客の購買履歴データを蓄積している。顧客がレジで精算する際に、その買い物パターンを他の数千万人のパターンと比較し、最も関心を引きそうなクーポンを打ち出す。

⑨コマツ(建設機械)
建設機械にGPSや各種センサーを取り付けることで、機械の現在位置、稼働時間、稼働状況、燃料の残量、消耗品の交換時期などのデータを収集している。それらデータを販売代理店や顧客はコマツのサーバにアクセスし確認できる。
コマツはデータを利用して「保守サービスの効率化」「燃費向上の運転アドバイス」「在庫・生産量のコントロール」に役立てている。

 

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