武器としての交渉思考

発刊
2012年6月26日
ページ数
331ページ
読了目安
397分
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東大×京大×マッキンゼー式「交渉の授業」
京都大学で瀧本教授が教えている「交渉の授業」をまとめて紹介している本。
「現実を動かす」には、複数の人間が話し合い、合意を結ぶ必要がある。そのための手段として「交渉」の大切さを説き、交渉の基本を説明している。


■社会を動かすにはお金も大切
人間の頭脳や手作業を必要としない工程は、ほぼすべて機械に置き換わっていく。しかし、今のところ、「交渉」はどんな高性能のコンピュータも代替できない仕事である。今後、付加価値を持つビジネスはすべて交渉をともなうものになる。

交渉には「ロマン」と「ソロバン」という2つの側面がある。
・ロマン:ビジョンや夢、未来の目標
・ソロバン:ロマンを達成するために必要となる手間や労力、時間、金銭

複数の人が集まって一つの目標に進む時、大きなビジョン(ロマン)と、それを実現させるためのコスト計算(ソロバン)が大切になる。そして、交渉がそのロマンとソロバンをつなぐ役割を果たす。

交渉においては以下のポイントが重要である。

相手の「利害」に焦点を当てる

相手に交渉のテーブルについてもらうためには、「自分の立場を理解してもらう」ことより、「相手の立場を理解すること」の方が大切。相手側のメリットを提案すべきである。

相手と自分、双方の利害を分析すると、うまく両者のニーズを満たす答えが出てくることがある。「相手が欲しがっているものは何か」「相手が妥協してもいいと思うものは何か」を正確に見極めることが大切。

利害が完全に対立していない限りは、双方の利益を増やせる「落とし所」を探すべき。交渉は「なるべく多く取ったもの勝ち」というゼロサムゲームではない。

できる限り多くの選択肢を持つ

バトナとは「相手の提案に合意する以外の選択肢の中で、一番良いもの」という意味。バトナとして良いものがあれば、目の前の人と必ずしも合意する必要はないので、交渉上、強い立場になれる。つまり、交渉において一番初めにやらなければならないのは、できる限りたくさんの選択肢を持つこと。

交渉は、相手のバトナと自分のバトナによって決まる。常に「相手側の選択肢、相手側のバトナな何なのか」を考えること。そのためには、まず相手は「この交渉が決裂したらどうなるか」を考え、たくさん聞いて、たくさん提案する。

交渉においては「自分のバトナ」を相手に悟られてはならない。相手に自身のバトナを誤解させることで、有利に交渉を進めることも可能である。

自分と相手のバトナを正しく把握できるようになると、「この条件より悪ければ合意にいたる必要がない」と判断できるようになる。合意できる範囲がない場合は、お互いに損をするだけなので、交渉を続ける自体がムダとなる。

アンカリングを使いこなす

人間には、相手側が出した条件に意識がとらわれてしまい、その条件を基準に物事を考えてしまうという心理(アンカリング)がある。交渉を優位に進めるには、最初から自分が戦いやすい条件を初期にオファーすることが必要になってくる。そこで提示する条件は、「高い目標」「現実的」「説明が可能」の3つ。

一方で、相手側が出してくる条件については、アンカリングかを疑い、まずは「一切無視」ぐらいに考えておくと良い。

譲歩を使いこなす

無条件の譲歩は絶対にしないこと。「相手にとっては価値が高いが、自分にとっては価値が低いものを譲歩する。

相手が譲歩をしてきた時でも、即座に応じないこと。さらに条件を引き出せる可能性がある。交渉時には、どんなに気まずくても、沈黙に耐えることが必要である。

 

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