リーダーに必要な9つの力

発刊
2026年8月21日
ページ数
448ページ
読了目安
572分
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様々なリーダーシップ論のまとめ
リーダーシップに関する15,000件を超える研究を精査し、「リーダーに必要な9つの能力」として体系化した本。
組織の文脈によって、様々なリーダーシップ論が語られる中で、これまでのリーダーシップ論を分類し、統合することで、リーダーシップに必要な能力をわかりやすくまとめています。

本当に必要なリーダーシップとは何なのか、全体像を理解することができ、何の能力を伸ばしていけばいいのかがわかる内容になっています。

9つのリーダーシップ能力

リーダーであることが難しいのは、自分を導くこと、他者を導くこと、チームや組織などのシステムを導くことという3つのレベルで同時にリーダーシップ能力を発揮しなければならないからである。この3つのレベルでリーダーシップをとるにあたっては、9つの能力すべてが不可欠である。

 

【自己指向の能力】

①コンシャス・リーダーシップ(自分自身を含め、物事をしっかり見つめる)

意識的なリーダーは、自我を認識している。自我をきちんと制御して、落ち着き、安定感、客観性を維持する。すると、自分自身を含む、物事をしっかり見つめられるようになる。自分自身と他者を受け入れ、客観的に見つめられるよう努力する。

 

②オーセンティック・リーダーシップ(ケアする)

オーセンティックなリーダーは自分自身、チームや組織の特長を伸ばし、質や成果を高めることを重視する。一貫性を体現しており、コミュニケーション、行動、意思決定に矛盾がない。組織が共通のパーパスのもと、共通の価値観を実現できるように支援する。職場でオープンかつ誠実な質の高い人間関係を構築し、チームや組織のパーパスの達成に向けてメンバーを鼓舞する。

 

③アジャイル・リーダーシップ(柔軟になる)

敏捷なリーダーは、山積みのタスク、多様な視点、相反する意見、対立を柔軟かつ自在に行き来する。細部から全体像へ、危険から機会へ、安定から変化へ、衝突から解決へと、拡大と縮小、出たり入ったりを繰り返す。アジャイルなリーダーは適応して成長し、単に乗り越えるだけでなく対立を成長に変える。

 

【他者指向の能力】

④リレーショナル・リーダーシップ(手を差し伸べる)

関係重視型のリーダーは、質の高い傾聴を通じて他者への共感を示し、信頼関係や心理的安全性を構築する。他者の視点や感情、他者にとって意義があり重要なことは何かを理解しようと努める。他者の限界と過ちを受け入れ、許す。押し付けたり、支配したり、コントロールしたりすることなく他者を助けようと努力する。

 

⑤ポジティブ・リーダーシップ(強化する)

ポジティブなリーダーは、フォロワーによる「自律性」「自信」「ポジティブ感情」「楽観性」「価値観の実現」の5つの要素で構成される心理的資本とウェルビーイングの追求を助けることで、彼らを動かす。こうした内的資源があらゆる人の仕事への取り組み、生産性、忍耐力、乗り越える力、成長を後押しする。

 

⑥コンパッショネイト・リーダーシップ(共鳴する)

コンパッショネイト・リーダーは、コンシャス、オーセンティック、アジャイル、リレーショナル、ポジティブの各リーダーシップ能力を思いやりに統合する。仕事で日々直面するストレスや組織で生じる制約を理解している。温かな思いやりと、パフォーマンスに対して妥協を許さない姿勢を兼ね備えている。

 

【システム指向の能力】

⑦シェアド・リーダーシップ(共有する)

分散型リーダーシップは、「私」から「私たち」への移行を伴う。その役割は組織全体に共有され、分散される。誰もが自身の置かれた状況でリーダーになる方法を学べるように力づける。オープンかつ包括的な手法で組織の舵を取る。チームや組織のビジョン構築から、パーパスの明確化、戦略立案、目標設定、意思決定に至るまで、周囲を巻き込んで進める。

 

⑧サーバント・リーダーシップ(奉仕する)

サーバント・リーダーは、謙虚にチームと組織に仕える。フォロワーの自律性、主体性のある行動、成長、サービス指向を促し、その結果、意義ある仕事でのフォロワーのモチベーションを高め、積極的関与を促す。他者に尽くす奉仕は生物的な進化によるものだが、この能力は精神的な成熟とともに育まれる。

 

⑨トランスフォーメーショナル・リーダーシップ(自分を含めて変革する)

トランスフォーメーショナル・リーダーは、周りにインスピレーションを与える先見性のある人物であると同時に、影響力の大きなロールモデルでもある。フォロワーのモチベーションと自信を育むことで創造性を引き出し、イノベーションを促進する。他者の知性を刺激し、既存の考え方に疑問を投げかけて視野を広げ、多様化するよう促す。

 

時間をかけて9つの能力すべてを向上させるには、容易なものから複雑なものへという自然の順序に沿って、内省と実践からなる3つの段階を進むのがいい。まず、自分自身をより巧みにリードできるようになることを目標に定め、それからチームや部署にリーダーシップを広げる。最後にビジョンと能力を拡大して、自分が携わっているエコシステム全体を含める。リーダーシップの共有、他者への奉仕、変革のいずれかによってシステムレベルのリーダーシップへと進化すれば、最も多くの利害関係者に影響を与え、奉仕する顧客やコミュニティにまで影響力を広げることができる。