不透明な時代を見抜く「統計思考力」

発刊
2013年11月2日
ページ数
267ページ
読了目安
307分
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推薦者

わかりやすい統計学の入門書
統計学の初歩をわかりやすく紹介している本です。統計学ブームのさきがけとなったベストセラー。


■データを見る
データがついている新聞、雑誌の記事を読む時、データを先に見る。なぜなら、本文はデータのうち、著者が強調したい部分を切り出して書かれている事が多いからである。データを先に見てから本文を読むと、記事に書かれていない事まで見えてくる事がある。

「データを先に見る」というのは、自分で何かを調べる際にも重要な事である。人を説得するためにデータを揃える必要が出てくる事がよくある。この時、自分の考えを補強するデータが見つかったからといって、それが事実だと思うのは危険である。試しに、反対の意見を補強するデータを検索すると出てくるはずである。こういう時には、元になっているデータを見ること。誰かが解釈したデータではなく、解釈がなされる前のものを見るのである。大事なことは3つ。

①データを先に見る
②誰かが解釈する前のデータを見る
③自分の仮説に反するデータも集める

データを読む

統計学のうち「平均と分散」「正規分布とべき分布」「相関」の3つが正しく捉えられるだけで、世の中の見え方は、かなり変わってくる。

①平均と分散(標準偏差)
平均を扱う際に注意しなければならないのは、データの特徴を表わす上で、平均値を使うのが適切かどうかということ。平均を考える際、あまりに少ないサンプルをとってもあまり意味がない。何らかの質の異なるデータが混ざっている場合も要注意である。

標準偏差は「データの散らばり具合を表すもの」である。散らばり具合は、「平均からどれだけ離れているか」で測る事ができる。標準偏差は、いろいろなところで必要になる概念である。例えば、2人の受験生がいて、一方は「コツコツ型」で平均は65点、標準偏差は8点。もう一方は「一発屋」で平均は55点だが、標準偏差が25点あるとする。本番の合格点が60点だし、標準偏差を考慮すると、コツコツ型が58点で一発屋が80点という事になるかもしれない。

②正規分布とべき分布
独立に変動する値が多数足し合わされると、正規分布に近い分布になる。正規分布が重要なのは、独立に変動する値の足し合わせが、様々なところに現れるからである。正規分布は、平均と標準偏差で形が決まる分布である。山の一番高いところに対応する横軸の値が平均、山の広がりが標準偏差にあたる。

べき分布とは「極端な差が出やすい性質を持つ分布」の事である。庶民の所得は、差があるといっても数百万程度だが、べき分布の場合には、1億円の人がいるかと思えば10億円の人もいるという具合である。典型的なべき分布にしたがうデータは、極端な値を含んでいる可能性が高いので、注意が必要である。

べき分布と正規分布の最大の違いは、平均や分散が存在しない場合がある事である。つまり、定義に基づいて平均や分散を計算すると、値が無限大になったり、1つに定まらなくなってしまう事が起きる。株価のように、時折ものすごく大きく変動するものに対しては、平均や分散が存在しない事がある。

③相関
「相関」とは、2つの変量の間に、一方が増えた時、他方が減る、または増える傾向がある事をいう。相関係数は、マイナス1から1の間の値を取る。一般的に、相関係数がマイナス1または1に近い時は、データの間には直線的な関係がある。ここで留意しなければならないのは、「相関」というのは、あくまで「対応関係」を示したものであって「因果関係」ではない事である。

相関関係がどの程度なら相関ありとみなすかは、サンプルサイズによる。サンプルサイズが大きくなればなるほど、偶然に相関が高くなる確率は減るからである。相関係数を計算する前には、まずは散布図を見て、データの性質をよく見極めておく必要がある。

 

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