ポーターの『競争の戦略』を使いこなすための23問

発刊
2012年4月20日
ページ数
220ページ
読了目安
354分
推薦ポイント 6P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

ポーターの『競争の戦略』を使いこなすための教科書
マイケル・ポーターの『競争の戦略』は、今も事業戦略を策定する際に多く用いられる。しかし、多くの日本企業は『競争の戦略』を正しく理解できておらず、うまく使いこなせていないとする。

どのようにして『競争の戦略』を事業に活かし、昨今の厳しい経営環境から抜け出せば良いか。戦略コンサルタントとして、多くの経営戦略を支援してきた著者が、『競争の戦略』を実務に使えるように解説している。


■日本企業が結果を出せていない理由
停滞市場では、競合企業とともに自社が成長することは難しい。市場のパイの大きさは一定か縮小するので、自社が成長するためには、競合企業からシェアを奪い取らなければならない。そのため、競争戦略の重要性は、この20年間増してきている。

しかし、多くの日本企業は次の理由により、事業戦略が結果を出せないでいる。

・戦略策定のスピードが遅すぎる。
・それぞれの事業が置かれた環境に応じた事業戦略を策定していない。

ポーターの『競争の戦略』まとめ

企業の採りうる戦略は、次の3つである。

①コストリーダーシップ
圧倒的な低コストの地位を占めるためには、相対的に高い市場シェアか、原材料を有利に入手できるといった利点がなければならない。そのため、この戦略を採りうる企業は、業界シェア1位の企業だけである。

②差別化
コストリーダーシップを採りうるのは、業界シェア1位の企業だけであるため、ほとんどすべての企業は、差別化を図る必要がある。差別化を実現するには、「業界内の多くの買い手が重要だと認める特性を、一つ以上選び出し、このニーズを満たすのは当社以外にはないという体制」を作らなければならない。

差別化を機能させるには、特定顧客のみをターゲットにする必要がある。エッジの効いた差別化は万人に受けるのではなく、ある特定の顧客にしか評価されないからである。全体市場をターゲットにできるのは「コストリーダーシップ」のみとなる。

③集中
集中という戦略を採用し成功するためには、次の条件が必要である。
・大資本企業にとって魅力的でない、成長が緩やかで、規模が大きくない市場であること。
・こっそり収益性を高くすること。

これらの戦略は、業界構造のあり方により、影響を受ける。業界内の5つの競争要因を明らかにし、そこから上記3つの内のいずれかの戦略が導出される。

『競争の戦略』を使いこなす

『競争の戦略』を使いこなすには、業界構造分析と戦略基本パターンをつなげる、具体的な当てはめ方を学ぶ必要がある。業界構造は次の4つに分類され、それぞれに応じて戦略を当てはめる。

①規模型事業:規模が大きくなれば、スケールメリットで収益性が増す
②特化型事業:スケールも差別化も効く
③分散型事業:スケールが効かず、差別化できるかが勝負
④手詰まり型事業:スケールも差別化も効かないコモディティ市場

①の成功条件は、コストリーダーシップ、②はコストリーダーシップと差別化、③は差別化、④には成功の条件がない。現在の日本では、市場の成熟化に伴い、製品・サービスがコモディティ化している上、競争が熾烈なため、④の状態に陥っている企業が多い。

どうすれば差別化を機能させることができるか

日本企業の多くの経営者は、競合企業と同じ顧客に、同じ戦略基本パターンで競争をしたがる。売上最大化を目論見、全体市場を攻めたがる。しかし、それでは差別化は機能しない。差別化には以下が必要である。

①特定顧客をターゲティングすること
②ターゲット顧客に、当事者意識を持って、肌感覚を持って、憑依すること

 

あわせて読みたい

この本の著者・牧田 幸裕さんはアクセンチュア出身です。アクセンチュア出身者の本 43冊 →