この国を出よ

発刊
2010年9月29日
ページ数
202ページ
読了目安
281分
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内向きな若者にエールを送る本
大前研一氏とユニクロの柳井正氏の対談本。もはや日本は絶望的な状況にある。しかし、国民は依然として危機感が足りないと警鐘を鳴らす。国民全員が日本は崖っぷちにある現実を知らなければならない。
そして、ビジネスマンと企業は世界へ出て戦わなければならない。それが日本を再生させる道であると説く。内向き志向の若者や全国民に向けた提言。

絶望的な状況にある日本

日本の公的債務は900兆円を超えている。対GDP比200%に達し、ギリシャよりも深刻な財政状態にある。財政再建は最優先の政治的課題であるにも関わらず、政治家はバラ撒きをするために大型予算を組み、不足分を国債発行で穴埋めするという愚行をエスカレートさせている。3年以内に日本は国債デフォルトの危機に陥る。

若者から働き盛りのサラリーマンまで、多くの日本人に共通するのは「そこそこの生活ができればいい」という内向きな意識である。これではグローバル化の荒波が押し寄せる中で、日本は勝ち残れない。

日本のお家芸であった自動車や家電・エレクトロニクス等の製造業の分野で日本の存在感が急速に薄くなっている。基幹部品や素材さえも東アジアの企業が類似品を作れるようになっている。世界のマネーは先進国から新興国へ移り、日本の国際競争力は衰退している。

誰がこの国をダメにしたのか

日本の政治家の最もダメなところは、国にとって経済がどれほど重要かという基本がわかっていないこと。政治家は選挙のことしか頭になく、グローバルな視点でこの国がどうやって生き残っていくかということを考えていない。今すぐ経済を活性化する手立てを講じないと取り返しがつかない状況になる。

大衆迎合のバラ撒きをやめないと日本は沈む。「子ども手当」「高校無償化」といったバラ撒き政策からは、どんな国を創っていくのかという「ビジョン」が見えない。企業の場合、どんな会社にするのかというビジョンは何よりも大切である。国家の運営も、企業と同じよう経営的視点が必要である。

この国を出よ

企業は常に競争を続けている。現状に満足して「変化」や「挑戦」をやめることは、その時点で「負け」を意味する。しかし、日本は、企業も個人も「変化」や「挑戦」をやめてしまっている。みんなが「安定」を求めてしまうと、国全体が衰退していく。

台湾やシンガポールは国土が小さく、人口も少ないために常に「どうすれば世界で生き残っていけるか」を模索している。こうした優れた国や企業の取り組みを若者に着目して欲しい。

「自分の国にチャンスがなければ国外へ出る」これが時代を問わず、人間を突き動かしてきた本能である。もはや老大国となた日本にとどまっていては、企業の成長も個人の成功も望めない。
世界という道場で武者修行を重ね、どこにいてもリーダーシップを発揮できる力をつけておけば、再び日本にチャンスの風が吹いてきた時に、帰国した若者が今の日本を根本から変え、復活の原動力になるに違いない。「この国を出よ」

 

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