ビッグデータ時代の新マーケティング思考

発刊
2012年10月31日
ページ数
206ページ
読了目安
269分
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これからのマーケターに必要なものとは?
ソーシャルメディアによって、膨大に増えていく顧客データ。ビッグデータの活用が、今後のマーケティングの鍵を握ると言われる時代、マーケターにとって必要な知識、スキルとは何かを紹介している。


■従来のマーケティング
マーケティング活動において、ターゲットを絞るという思考は、基本中の基本とされてきた。ターゲットを絞る必要性があったのは、供給が需要を超え始めたからだ。モノを作れば売れた時代と異なり、顧客ニーズを明確にして、USP(商品の売り)を打ち出す事こそが、競合商品に打ち勝ってシェアを獲得する道だった。

従来、そのターゲットの設定は、ほとんどが送り手の「思い」が発端であった。企業は市場調査を行って需要を検証しているはずだが、それらの調査は、そもそも企業のシーズから発想される商品にニーズがあるかどうかを検証するためのものである。だから基本的に、購買対象者を想定する際は、仮説を送り手側で作ることになる。

企業は、商品を開発して、市場に導入するために「広告」を中心としたマーケティングコミュニケーション活動を行う訳だが、従来は事前に想定されたキャンペーン活動をやり終えるまで成果がわからなかった。「広告」に誰が反応したのか、商品が売れるか売れないかというところでしか判断できないのが大前提であった。ターゲット設定そのものの妥当性も、販売結果でしか見る事ができない。

反応した人がターゲット

DSPが登場し、ディスプレイ広告を1表示ずつ買い付ける仕組みになった事で、3つの構造変化が起きた。

①広告を掲載面を選んで買うのではなく、「誰に配信するか」で買う
②買い手側の都合で広告を買い付ける
③広告代理店の営業マンの「手売り」から、オンライン購入する

広告を「枠」から「人」へ送る事が可能になった事で、広告に反応した人を把握する事ができるようになった。

新たなターゲット論を一言で表現すると、「反応した人がターゲット」という事になる。これまで、ターゲットは事前に想定するものであったが、これからはマーケティング施策を遂行する中で実証していくものになる。

現在の顧客から未来の顧客を見つけ出す

ビッグデータ時代のマーケティングの一つの方向に、既存顧客から将来の顧客をターゲティングするという考え方がある。新規顧客獲得には、広く遍なく広告を打つ事が常套手段であった。どこにいるかわからない新規顧客に、認知から促すためには、そうするしかなかった。

しかし、実は認知からスタートする新規顧客獲得にさえも、すでに顧客化したユーザーのデータを利用する事ができる。そもそも顧客化する人とはどんな人達なのか、どんな文脈に関心があり、どんなメッセージに反応するのか。そういった事を、既存顧客を分析すると、新規顧客への広告ターゲティングやメッセージ開発に生かせる。

今後は、コンバージョン(顧客化)する人にあってコンバージョンしない人にはない文脈を発見する事が重要になってくる。ネットで抽出できるデータから意味を読み取って、リアルな世界を含むマーケティング全体に応用するのが望ましい。

反応者志向のマーケティングへ

従来はマーケティングセグメントと言えば、ユーザーを①人口属性、②地理、③心理、④行動という基準を軸に、横割りで区分してきた。しかし、ビッグデータ時代に重要なのは、主に行動基準であり、①〜③の基準にユーザーを分類する事にはさほど意味がない。

反応者志向のマーケティングにおいて、企業はまず、対象をゆるやかに想定する。重要なのは、実証されたユーザーの反応である。そして、反応したユーザーを母集団から抽出して、そこでPDCAをきめ細かく回していく。最初にパターン化ありきではなく、反応したユーザーでプロファイリングし、ターゲット全体像を拡大解釈していくべきなのだ。また、反応者と同じような行動をとっているユーザーを新たな想定顧客として考慮していく。

これこそがビッグデータ時代の新たなマーケティング思考であり、新しいターゲティングの手法なのである。

 

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