気づく仕事

発刊
2012年4月26日
ページ数
221ページ
読了目安
201分
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博報堂のアイデアの生み出し方
ある研究機関が博報堂の打合せを研究したところ、その特徴は「ほぼ7割が雑談でできている」ことと、「打合せの終わり近くで一気にアイデアの芽吹きがある」ということであった。

博報堂がどのようにして、「気づき」を得て新しいアイデアを生み出しているか、その方法を紹介している本。


■「気づき」こそがマーケティング
マーケティングの基本は、当人がまだ自覚していない欲望を、様々な方法から探り当てることにある。この欲望の発見を可能にするのが「気づき」という行為である。

当人もまだ自覚していない欲望を発見したら、次はその欲望への生活者の「気づき」をうながす。「気づき」を社会で共有することで、はじめて新しい市場・新しい生活が生まれる。

アイデアの作法

アイデアとは「既知の二つのものの間にある、未知の関係を発見すること」であり、偉大なアイデアの多くは、とても身近で「なんだ、それくらいなら自分も思いつけるぞ」と思えるものである。

しかし、私たちは一見容易に思いつけそうなアイデアを思いつけない。それは、誰もが経験や教育・先入観などにより形成された思考様式や価値観「マインドセット」を身につけているからである。「マインドセット」の束縛を解いて「気づき」へと向かうには、以下の作法が必要である。

①物事のありのままを見る
例えばゲーム機の場合、プレイヤーは何をしているのでしょう。単に「ゲームをしている」と片づけてしまうとしたら、それがマインドセットの束縛である。そこで思考は終わってしまう。もしゲームというものを全く知らない人が見たら、何をしていると思うだろうかと考える。

②思考の往復運動により、視点を移動させる
・「具体」と「抽象」を往復させる
「たとえば」と「ということは」「一言で言うと」を繰り返し、視点を移動していく。

・「主観」と「客観」を往復させる
客観は視野を大きく広げ事実を正確に知るために不可欠だが、その事実をどう評価するかは、主観に委ねられている。客観データを鋭い主観で検証することで価値をなす。

・「論理」と「情動」を往復させる
論理から導いた「正解」に対し、常に「ストンと腹落ちするかどうか」を、自分自身の情動と照合する。

③多人数で考える
「気づき」は、まずちょっとした「違和感」(認識のズレ)の発見から始まる。よってその発見と解明は、多人数で行った方が生産的である。

共同脳空間のつくり方

ジャズのジャムセッションのように、個人の自由奔放な発想が互いにネットワークされて一つのグルーヴ=ノリを共有する、このような状態を「共同脳空間」と呼ぶ。これは「気づき」のためにうってつけの場である。共同脳空間を起動するには、次の3つが重要である。

①雑談から始めて、個人脳を活性化させる
②否定せず、相互理解に努める
③上下・主客の別をつくらない

共同脳空間の動かし方

「気づき」は手馴れた方法を繰り返しては得られない。じっくりと共同脳空間を組み立て、最後に「気づき」が訪れる環境を築くことが大切である。

①雑談から始める
②打合せのお題は確認したら、しまっておく
③的外れな事を言うのを恐れず、お題の周辺をいろいろ探る
④お題の関係する範囲が、どこまで広がるのかを探る
⑤互いの違和感を「よくわからないなあ」と言って確認し合い、全員で共有する
⑥「よくわからない」ことについて、「それって、こういうこと?」と解釈する
⑦あたりを付けたら、結論を急がず、しばらく寝かす
⑧期日を設定し、打合せを複数回行い、結論を出す

 

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