世界経済のオセロゲーム (日経プレミアシリーズ)

発刊
2011年3月9日
ページ数
235ページ
読了目安
219分
推薦ポイント 6P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

日本を取り巻く世界とこの日本で何がおきているのか?
日本を筆頭に先進国を覆うデフレと高齢化、新興国で進むバブルと政治変革のドミノ、つばぜり合い続く米中―。明と暗がめまぐるしく入れ替わる世界は、まるでオセロゲームのようだ。経済とマーケットをにらむ日経記者が、Gゼロ=リーダー大空位時代の世界を読む。

本書は、2011~2012年の世界経済情勢について、個々のニュースを有機的に結びつけてまとめあげ、そこに日本の展望を見ようと試みたものです。

オセロゲーム

リーマンショック以降、日本の財・サービスの純輸出額は回復してきている。しかしながら景気に高揚感が出てこないのは、交易条件が悪化したためである。
原油や石炭などの資源高騰により、交易損失が2010年で実質GDPの4%まで拡大してしまった。「交易条件の悪化」と「企業の努力による純輸出の拡大」、どちらの要素がかっているかが肝心なのである。
混沌としたこの状況下、新エネルギー開発やエネルギー効率の向上を促すことで、オセロゲームのように状況は一変する可能性がある。その最も有望な一手は、電気自動車である。

TPP問題について

経済の規制を透明にし、知的財産や投資等で高いレベルのルールを作り、中国を誘導していくための道具立てこそがTPPである。TPPへの参加を表明すれば、日本の立場は相当に強化される。オバマ政権にとっても、米中の2国間交渉では埒の開かない問題が多いだけに、日本が加わってくれれば大歓迎だろう。
農業問題がTPPに反対する理由としてあげられるが、オランダの農業にそれを乗り越えるヒントがある。オランダは、食料自給率は高くないため農作物を大量に輸入する一方で、輸入した家畜飼料から牛乳や乳製品を作って付加価値を付けて輸出も多く行っている。この、付加価値を高めて輸出して利益を得るモデルが、日本の参考になるだろう。
また、EUの離農奨励政策も参考にしたい。高齢の農家に退職金を用意し、新しい担い手への移行を進めるべきである。

日本の強みと弱み

日本は先進国の中でGDPに占める輸出の割合が極めて低いポジションにいる。輸出依存度が欧米諸国に比べて著しく低いということは、日本経済は自由貿易と国際分業のメリットを十分に活用できていないと言える。
日本が優れている項目は対外純資産とエネルギー効率である。対外純資産は先進国トップ、エネルギー効率も米国の2倍に近い。モノづくりは日本の稼ぎの大元であり、「貿易+投資立国」を目指すとともに、「環境・省エネルギー」と「経済成長」を両立させるという国家経営が欠かせない。

 

あわせて読みたい