国際的日本人が生まれる教室

発刊
2013年2月2日
ページ数
246ページ
読了目安
309分
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グローバル人材を育てるための教育改革
元米国弁護士から、応募により最年少の高校校長となった著者が、グローバル人材を育成するために行っている教育改革を紹介。国際社会で戦える人材はどのように育てていくべきか?


■日本式では伝わらない
「強い国」を構成するためには「グローバル人材」の育成が不可欠である。グローバル人材とは「異なる文化、宗教の人々と最大公約数的な理解のもとに共存できる人材」と定義される。最大公約数的な理解とは、互いに完全には一致しない異なる考えの中で、最大限共通する項目を見出し、理解し合う事を意味する。

文化、言語、宗教が異なれば、どうしても当事者間に重ならない項目が生じる。従ってその違いを互いに認識しつつ、これをどのように友好的、建設的なアイデアをもって埋めていくかという考えに到達せざるを得ない。

米国では、個人の利害が衝突した瞬間、「情」よりも「個人の利益保護」が優先される傾向にある。中南米、中国、韓国、中東の人々も相当に自己の利益を追求し、そのための自己主張を怠らない。

「沈黙は金」と言われる日本のような国は大変稀な存在であり、世界の考え方の基準は「雄弁は金、沈黙は相手にされない」というものである。そうであるなら、「雄弁は金」方式で、日本という国を伝えていかねば決して日本人は理解されない。

国際的日本人を作る条件

「グローバル人材」の育成に最も重要な教育の要素は次の5つである。

①英語力
まもなく戦後70年近く経過しようとしているが、日本の英語教育は全く進歩していない。一方、中国、韓国、台湾からの留学生の英語のレベルは明らかに上昇している。小学校から大学まで、効果的な英語の勉強方法は次の通り。

・小学生には英語で用いられる「音」を学習させる(フォニックス勉強法)
・中学、高校生からTOEFLを受けさせる
・日本の大学入試をTOEFLにする。まずは東大から改革を

②言いたい事を伝える力
国の違う人々とお互いを理解しようとする場合には、実にシンプルなメッセージから伝え始めなければ、やり取りが成立しない。日本人同士で理解しあえる微妙なニュアンスは、間違いなく異なる文化を持つ外国人には伝わらない。まず自分の意見の結論を言う。その後、理由や背景を言う。結論を言う際に、必要に応じて条件を付ける。

文化、言語、宗教が異なる人々と理解し合うには「論理」が最大の武器となる。論理的な思考力を高めるには、まず「論理的でなくなる5つの基本パターン」を示す事で、論理の基礎を体感する。

・接続詞や助詞が適切でないと論理的でなくなる
・理由を十分に説明しないと論理的でなくなる
・単語の意味を間違って理解して使うと論理的でなくなる
・別の理由があるのに、ひとつの理由に断定すると論理的でなくなる
・そもそもの前提事実(理由)が間違っていると論理的でなくなる

論理を学ぶには、論理的な考え方の筋道をフローチャート化して教える機会を増やす事が効果的である。

③日本人としての誇り
世界各国の人は、政治体制や経済状況などに不満は言うが、自分のルーツや祖国に対しては誇りを持っている場合がほとんど。人は、帰属するコミュニティに心の拠り所を求める。日本人が他国と切磋琢磨していく際には、どこかで「日本人である事の誇り」を持っている事が必要になる。

④豊富な知識、教養
いかに英語力があり、自分の言いたい事を伝える力があっても、伝える中身がなければ説得力を持たない。知識、教養を増やす事が、学校教育の一つの重大な任務である。

⑤「変人」になること
国際社会は、日本人から見れば「変人」の集まりである。グローバル人材になるためには、考え方を柔軟にする必要があるため、「自分自身も変人、周りも変人で当たり前」という環境を作る必要がある。自分とは違う感覚を持つ人を尊重し、理解しようとする人こそが、これからのグローバル社会には大切となる。

 

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