USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?

発刊
2014年2月26日
ページ数
253ページ
読了目安
307分
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USJの業績をV字回復させたアイデア発想法
USJの業績をV字回復させたマーケターが、どのようにして様々なアイデアを生み出したのかを紹介している1冊。お金がなければ、アイデアを捻り出すこと。いかに創造的なアイデアを出せばよいのかが書かれています。


■窮地に立たされたUSJ
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、2001年にハリウッド映画のテーマパークとして誕生した。世界中のどのテーマパークよりも早いペースで開業からの来場数が1000万人を突破し、年間の来場者数は1100万人を達成した。しかし、その後は800万人前後に落ち込み、数年間は年間700万人台の前半まで低迷していた。

テーマパークは究極の集客ビジネスである。食品や生活用品のように安定的な需要がなく、景気が悪ければ真っ先に家計からカットされる。つまらなければ、あっという間に衰退する、常に厳しい生存競争にさらされている。

数多くのピンチからUSJを救ったのが、消費者を惹き付ける奇抜な「アイデア」の数々だった。USJは設備投資の規模にも制約がある。その中で、会社を成長させるという「3段ロケット」構想を描いた。

①長年の弱点だった「家族連れ顧客」を取り込むこと
②遠方からゲストを集客できる「ものすごい何か」を作り関西依存から脱却する
③パークの効率運営ノウハウを複数の場所に展開する

どう生き延びるか

1段目のロケットは、小さな子供連れファミリーも長期にわたって集客に取り込める新ファミリーエリアを最速で建設し、2012年春までに開業させること。それによってパークの収益構造を大きく改善させてキャッシュを貯めつつ、2段目のロケットとして、日本全国・アジアからも集客が可能になる「The Wizarding World of Harry Potter」の2014年度内での開業を目指すこと。そのために、ほぼ全ての設備投資予算をこの2つに集中し、それ以外の 2011年度と2013年度は、低コストのアイデアで乗り切る、というプランだった。問題は、ハリー・ポッターがオープンするまでの3年間をどうやって生き延びるかだった。

金がなければアイデアを捻り出せ

当時のUSJには、原点の「映画だけ」にこだわったブランドに軌道修正すべきだと考える声が強かった。そんな空気の中で、USJのブランドを再定義した。「映画の専門店」から「世界最高のエンターテイメントを集めたセレクトショップ」へ。USJが年間集客400万人のテーマパークで良いならば、「映画だけ」にこだわるのもありである。しかし、そのレベルの集客では、巨大なテーマパークを維持運営できない。映画ではエンターテイメント需要の1割しかカバーできないのである。

USJは、非常に慎重にブランドを選ぶ。アニメならアニメ、ゲームならゲームで、その世界で最高のブランドかどうか。そして、USJならではの付加価値が乗せられるかが大切である。この2つのハードルを越えられるブランドは、「ONE PIECE」「モンスターハンター」などのブランドに限られた。2011年度はワンピースが大好きなファンを感動させるために、ハリウッドのスタンド技術や映画技術を駆使したショーに取り組んだ。

しかし、2011年は震災により大きく集客は落ち込んだ。それを取り戻すために、追加施策として4つを打ち出した。

・関西スマイル・キッズフリー・パス
・ハロウィーン・ホラー・ナイト
・モンスターハンターのイベント
・世界一の光のツリー

ターゲットを疑え

USJのブランド構築にあたって、壊さなければならない不必要なこだわりが「映画だけのパーク」の他にもう1つあった。それが「大人だけ」のテーマパークというターゲット設定である。USJは、テーマパーク業の最大のボリュームゾーンの1つである「低年齢の子供を持つ家族層」を開業以来、ずっと取りこぼしてきた。

ゲストの頭の中には「子供と一緒では楽しめない」というイメージがあり、これをどう解決するかだった。そこで思い付いたのが「大きな複合型ファミリーエリア」だった。ソフトには、エルモ、スヌーピー、ハローキティを活用した。

 

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