人に強くなる極意

発刊
2013年10月2日
ページ数
212ページ
読了目安
228分
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図太い人になるための頭の使い方
ビジネスでも人生でも、人と相対したときにどう振る舞えるかが結果を大きく左右する。外務省の分析官としてロシア外交の最前線で活躍してきた著者が、図太い人になる頭の使い方を紹介する。


■怒らない
直情的な怒りや衝動的な行動は、結局自分にとっても周囲にとってもマイナスになる事が多い。感情的な怒りを完全になくす事はまずできない。但し、感情が湧き出る事は抑えられなくても、それを別な方に向ける回路を組み込む事はできる。それには、理性がカギになる。例えば、この怒りは嫉妬からくるものなのか、コンプレックスからくるのか、焦りなのか。その出所がわかったら分析していく。

そのように論理的に感情の糸をほどいていくと、まずその作業自体で冷静になれる。これを「メタ認知」というが、物事を引いた目線で俯瞰してみる。すると怒っている自分を、もう1人の自分が客観的に見ているという構図が生まれる。この構図ができると、怒りで我を忘れるという状態にはまず陥らずにすむ。感情は、それ自体を完全に消し去る事はできないが、理性の光を当てる事によって、それを変質させる事ができる。但し、それには知識や経験が必要である。オススメは小説や映画に触れる事で、様々な人生を代理経験する事である。

びびらない

びびらないためには相手や対象を知り、相手の本質や意図を見極める事が重要である。外交の世界では「相手の内在的論理を知る」という表現をする。相手の価値観はどのようなもので、どんな意図と論理で行動しているのか。それがわかれば、相手が何を言おうがどんな威圧をしてこようが、冷静に対応できる。

もし周りにびびってしまう相手がいたら、そんな時ほど相手をよく見る事だ。怖がって目をそらしたり無視する事が一番いけない。そうすると相手が見えなくなり、ますます恐怖感が大きくなる。

飾らない

カルトとか暴力団とか暴走族に入って法を犯す人の多くが、組織の中である種のマインドコントロールを受けている。そういう組織には独自のルールができあがっていて、その中で評価されるために自ら進んで犯罪的な行為に走るという構図がある。ポイントは自分を大きく見せたい、飾りたいという意識が強い人ほど、このカラクリにすっかりはまってしまう事である。コントロールする側が仕掛けた評価制度や競争原理によって、まるで車輪の中のモルモットのように延々と走らされ続ける。

そういうものにどっぷり浸るのではなく、引いた目線でそのカラクリを認識しておく。どこか冷めた目で世の中を客観視し相対化する事が大事である。そういう意識を持っていれば、極度に自分を飾ろうとする意識も和らぐ。仕事ができない人や実力のない人に限って、物事を複雑に考える。自分を大きく見せようと飾り立てたり嘘をつく。するとますます状況が複雑になり、結局信頼を失い、仕事も人も失っていく。飾らない力を得るには、自分が何者であるかを明確にするという事に尽きる。自分の根っこがどこにあるのかを問いかければいい。

侮らない

「侮り」は人生の罠のようなもの。得意の絶頂の時、ツイている時、地位や権力を持った時、そんな時に限って心の中にそっと忍び寄る。怖いのは、自分の中の「侮り」の気持ちに、自分自身はなかなか気が付かないということ。たいてい何かトラブルや躓きが起きてから、ようやく自分はあの時侮っていたなと気が付く。だから「侮り」とは事後の概念なのである。「侮り」に気づくには、代理経験を積むこと。侮って失敗した例を本で読む事が最もふさわしい対処法といえる。

あきらめない

今の時代は「頑張っても報われない」状況が明らかに増えている。だからこそ、「あきらめないこと」と「あきらめるべきこと」の2つを選り分けて、上手にマネジメントしなければならない。「あきらめない」という事が目的論理的なものであるなら、そこには必ず完成系、終わりがイメージされていなければならない。自分があきらめられない事は何か、その完成形と出口はどういうものか、客観的に自分を見つめ直す事が大切である。

 

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