結果を出すリーダーはみな非情である

発刊
2012年10月26日
ページ数
262ページ
読了目安
302分
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課長のためのリーダーシップ論
経営層の考えを知り、現場の情報も理解している課長クラスの「ミドルリーダー」こそが組織を変える。多くの企業再生や経営改革に携わる著者が、ミドルリーダーに必要な考え方をまとめたリーダーシップ論。


■課長クラスの「ミドルリーダー」が時代を動かす
上と下の力がうまく共鳴しないと社会を動かす歯車は大きく転回しない。特に日本の場合は、共生型、共同体型のムラ組織社会のため、トップダウンで上からの改革を進めようと思っても、なかなか変わらない。ミドル層にいるリーダー型人材「ミドルリーダー」こそが日本型改革のエンジンなのだ。

組織において、目立たず自由に動ける無名の課長レベルが、実態を動かして方向性を決め、それをトップが事後的に承認するケースはいくらでもある。40歳ぐらいの年回りで、社内で自他共に認める社長候補の一人というような人間には一番情報が集まる。上からも下からも情報が集まり、特に下の年代に対して大きな影響力を持つ。上司も勝ち馬に乗りたいため、そういう人を引き立てようとする。

会社の立て直しや、変革を進める時というのは、必ずミドルマネジメントの活躍が必要になる。自分にその大役が回ってきた時に、十分な準備ができていないとチャンスを活かせない。差を生むのがマインドセットの違いである。

課長時代にストレス耐性を身につけよ

社長になる人間にはそれなりの能力がある。しかし、その能力を発揮できるかどうかは、ストレス耐性に大きく左右される。部長や課長にもストレスはあるが、社長になった時の比ではない。だから、課長の時に責任転嫁ばかりしている人、ストレスから逃げてばかりの人は、それより上のポジションに上がった時に使い物にならない。

課長というのはトップリーダーになるための訓練の場でもある。意識して自分をストレスフルな立場に置いてみるくらいの事をやっておいた方が良い。

論理的な思考力、合理的な判断力が不可欠である

リーダーの不可欠な資質の一つは、論理的な思考力、合理的な判断力である。リーダーは様々な局面で判断を求められる。必要な情報を集め、それに基づいて行った判断が合理性に耐え得るか、自分の中で繰り返し問うてみる。そういう訓練をする事が大事である。

会社が潰れる時、多くの場合、経営判断を情緒的直感に委ねている。論理的に考えてこのままだと会社は生き残れないという状況で、都合の悪い現実に目をつぶって、頑張っていれば事態は好転すると考える。そうすれば、誰もリストラせずにすみ、仲間から非難される事もない。論理を突き詰めるより、情緒的直感に飛び込んでしまった方が精神的に楽なのだ。それで倒産してしまう。

マネジメントの世界では、合理的思考を突き詰める事は、結局リアリズムを突き詰める事につながる。経営を、人間を幸福にするツールとして機能させるには、リーダーが、リアリズムと合理主義に徹する事が絶対必要条件となる。

コミュニケーションは情に訴え根負けを誘う

意思決定の段階においては情緒を極力排除しなければならないが、コミュニケーションの段階で情緒を否定してしまうと、伝わるものも伝わらなくなる。組織内で合理的な判断を貫こうと思うと、情緒的な反発が起こる事もよくある。特に改革の名に値するような重大な決断ほど反発は強くなる。

アメリカ型の上意下達で雄弁なコミュニケーション・スタイルが日本の会社でも通じるのは、創業者のように絶対的な権力を持ったトップがいる会社か、経営が破綻して企業再生の段階に入った会社のどちらかだ。多くの人は組織の空気を読む、付和雷同型である。

だから、トップのコミュニケーションには、組織の空気を少しずつ変えていく根気強さが必要だ。リーダーは、反対派を一人ひとり根気強く説得していく。ここで、論理を振りかざしても余計に反発を招くだけなので、しつこく情緒に訴えるのだ。夜の「飲みニケーション」を含め、朝から晩まで訴える。やがて相手が根負けしてくる。シーソーが少しずつ賛成派に傾き始め、臨界点を超えるとバタンと大きく傾く。

 

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