稼ぐ会社の「課長心得12カ条」

発刊
2015年4月25日
ページ数
208ページ
読了目安
230分
推薦ポイント 4P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

課長とはいかにあるべきか
京セラ創業者の稲盛和夫氏から直接教えを受け、JAL再建時には副社長として、経営を担った著者が、会社組織の要である課長の心得について書いた本。課長とはいかにあるべきかについて説かれています。

課長に求められる3つの資質

課長とは「現場のリーダー」であると同時に、経営者としての立場でもある。課長とは、現場の仕事の成果、現場で起きる事のすべてに対して責任を負う立場である。このために、課長の役割は、まず、部下がいきいきと働ける職場を作り、部下に夢や明確な目標を与える事で組織をまとめ、メンバーが一丸となって目標を達成できるよう導く事である。

課長に必要かつ欠けてしまいがちな資質は、「起業家精神」「リーダーシップ」「向上心」の3つである。これは誰でも身に付け、磨き上げていける後天的な能力である。そして、3つの資質は企業の課長に普遍的に求められるものである。

では、課長は何を考え、どのように振る舞うべきか。課長に求められる資質は「課長心得12カ条」によって身につけられる。

 

課長の心得12カ条

①部と課の成長発展を常に考える
課長の最大の使命は、自分が会社から預かっている課を成長発展させること。その「思い」を起業家精神と呼ぶ。部長に言われた事を、ただ部下に伝えるだけの課長では、存在意義がない。

②高い目標を定める
安易な目標を設定していると、その人は負荷をかけられる事がなく伸びない。高い目標を立て、何をやらなければならないかを考え、実行する事が能力アップにつながる。

③自分の思いや夢を部下にハッキリと伝える
リーダーとして注意すべきは、常に明るく前向きな言葉を使うこと。結果として「できる」か「できない」かがわからない状況であっても、「不可能」と結論づけるのではなく「可能性」を意識づける言葉を使う。

④課内のすべての業務を把握する
現場を束ねる課長は、現場の細かい仕事のすべてについて目を配らなければならない。なぜなら、現場の仕事にすべての責任を負うのが課長であり、また現場で働く社員の仕事ぶりを見ながら、部下の能力を向上させていく役割を担っているからである。

⑤何が正しいかを判断基準とする
課長の判断とは「私はこう思う」という自分なりの信念を確立し、その信念に基づいて行うものである。人間としての原理原則に基づく判断基準を身に付け、そこに論理的な説得力が加われば、現場で使える判断力となる。

⑥チームの力を最大限にする
メンバーの心は日々変化する。移ろいやすい心の集まりが「課」というチームの姿であり、課長にはこのメンバー全員のベクトルを合わせる努力が求められる。ベクトルを揃えるために必要なのは、熱意と共感である。

⑦先頭に立って行動する
課長が部下から信頼され、尊敬されるためには、どうしても自ら先頭に立つ事が必要になる。

⑧取引先や社内の他部門との折衝の中心となる
折衝をやり切る上で、最も大切なのは人間力である。交渉術も必要だが、根底にはお客様の事を思う心が欠かせない。

⑨常に部下の様子に目を配る
強いチームを作るには、部下との強い信頼関係を作る事が前提となる。人は自分を大切にしてくれた人を大切に思い、その人のために尽くそうとする。課長が愛情を持って部下に接し、困り事を助けていく事が大切である。

⑩部下を褒め、叱る
指導には、相手への愛情と熱意が欠かせない。褒めるのは1/3、残り2/3は叱る。叱る事をしないと、欠点を見直さないため、いつか部下が失敗する。

⑪特定分野において優れた専門能力を持つ
環境の変化を捉え、課長としての判断力を活かしていくには、新たな専門能力の習得が欠かせない。そのためには好奇心を高め、熱心に知識を吸収していく事が必要である。

⑫自ら反省する事を忘れない
素直な心で、自ら反省する事を忘れてはいけない。