社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた――マッキンゼーでは気づけなかった世界を動かすビジネスモデル「Winの累乗」

発刊
2012年10月19日
ページ数
251ページ
読了目安
303分
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成功する企業とNPOに共通するしくみとは何か
先進国の肥満と、開発途上国の飢餓・栄養不足を同時に解決するビジネスモデルを展開するNPO『テーブル・フォー・ツー』の代表である著者が、社会貢献をしながら事業を行う仕組みを紹介。グローバルで成功している企業に共通するしくみとは何かを説明している。


■Winの累乗
経営の世界では、よく「『Win-Win』の関係を作るようなビジネスモデルを考えることが成功のカギ」という言葉を聞く。取引先にも自社にもメリットがあるようなしくみが良いということ。ただそのWinづくりは、一対一の関係に限定せず、もっと広い範囲で作る事ができる。そうする事で、企業や団体で働く仲間、顧客、社会の「すべて」を幸せにする事ができる。そしてWinの数が増えれば、幸福感・満足感は数学の「累乗」のごとく大きくなっていく。

この「Winの累乗」という考え方に立ってビジネスモデルや組織について考えていく事には、「グローバルでの成功につながる」という大きなメリットがある。これからは企業もNPOも、グローバルな土俵で勝負しようと思うなら、世界に拡がる顧客やパートナー、果ては進出先の地域コミュニティまで、より多くの人や場所でWinが生まれるようなモデルを描かなければ、持続可能な発展はあり得ない。

5つのC

「Winの累乗」を実現するためには、5つの領域で「ハッピー」を作る事が重要である。

①Company(自社の従業員・一緒に働く仲間)
人が仕事にやりがいを感じられるために必要なものは何か。働く人にWinを作るためには3つの条件が必要である。

・全体感を持って仕事をすること
・誰かのために役立つという実感を持ちながら仕事をすること
・自ら課題を設定し、解決する能力を発揮すること

製品やサービス、または企業の存在意義に対する強い「想い」が組織に対する愛着を生み、「スキル」を持って成果につなげ、達成すべき目標に近づいていく。その過程で仕事にやりがいを感じてハッピーになり、それが組織や仕事に対する想いをさらに強くする。大切なのは、自らが携わっている仕事が、どれだけブランド全体に影響を与えているかという全体像を見せること。

②Customer(消費者・顧客)
サービスの受け手にWinを作るためには、従来の商品開発からの発想の転換が必要であり、参考例としてNPOの取り組みがある。NPOがサービスを設計・開発し、受け手に届けるには、3段階がある。各段階において、顧客のベネフィットを最大にするべく知恵を絞り、Winを作り出す。

・知る:顧客は千差万別のため、そのバックグラウンドを理解する
・設計する:支援先の事情が異なるため、常にチューンアップする
・届ける:カスタマイズの仕上げを受け手自身に委ね、参加感を高める

③Community(一般社会・進出先の国や地域)
「社会的なベネフィット」を提供してコミュニティそのものにWinを作る事で、将来の顧客層にアプローチする。自社にもWinが跳ね返ってくるような形で、コミュニティにWinを作るためには、ニーズをくみ取りながら、何をすれば彼らがハッピーになるのかを「一緒に考える」こと。さらにニーズに中長期的な視点を入れる事でWinに持続性を持たせる事ができる。

④Contributor(出資者)
近年では「環境に優しい製品を作っている」「社会貢献に力を入れている」という事が、十分に出資の理由になり得る。こうした人達に「いい出資をした」とWinを作るには、2つのポイントがある。

・目に見える形で成果測定を行い、結果を出資者に明示すること
・「この団体を応援したい」というブランド作りをすること

⑤Cooperator(提携・協業者)
NPOの世界における「協業」を考える時、大前提にコストの問題がある。使えるお金が限られているから自分達だけですべてやろうとしない、という姿勢が他社との協業を積極的にしている。

企業においても「競合」をいう壁を取払い、規模追求のみにこだわらず他社と連携すれば、Winの累乗を生み出す事業拡大も可能である。

 

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