福島屋 毎日通いたくなるスーパーの秘密

発刊
2014年1月17日
ページ数
203ページ
読了目安
207分
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繁盛するスーパーの仕組み
テレビ番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』や『カンブリア宮殿』などでも取り上げられるスーパー福島屋の経営が紹介されている一冊。
なぜ、町のスーパーが強いのか?


■スーパー福島屋とは
東京都心から西へ45km離れたところに位置する羽村市。人口約57000人のこの町に、スーパー福島屋の本店がある。年商41億円、社員数約350人の中堅スーパーである。

本店の周辺には大手スーパー、中堅スーパーなど競合店が立ち並ぶ。しかし他社とは価格で競争する事なく、また、安売りや折り込みチラシも使わず、独自の経営方針でここまで進んできた。他のスーパーと違う一番の特色は、オリジナルな品揃えとコミュニケーションを大事にした運営管理である。例えば、青果売り場には、無農薬でつくられた自然栽培の、旬の野菜や果物を中心に並べている。秋であれば、それに加えて、地方の農家の方が里山で収穫してくれた山菜やきのこ等も並ぶ。野菜の隣には、生産者の顔がわかる写真や、育った環境、味わいなどを説明したPOPがある。

調味料や加工品などのコーナーは、全国各地で見つけ出した逸品の数々が陳列棚の大半を占める。価格訴求ではなく、店の魅力を高めてお客様にファンになってもらうというやり方を20年以上前から続けている。

福島屋はなぜ強いのか

多くのスーパーでは、売れ筋商品やナショナルブランドのものが数多く並べられている。同じ商品であれば、お客様は安い方を買おうとする。そのため、競合同士の低価格競争に陥る。

福島屋では、他店との差別化や集客のための安売りは一切行っていない。オリジナリティの高い商品を揃えている事もあり、必ずしも安くない。それでも福島屋に来店してくれるのは「安心安全で、美味しい」と信頼してくれているからである。安心安全で美味しいという商品の特性が、そのまま福島屋への信用になっている。

福島屋の売り場には、商品ごとに添加物の情報や、味わいについて説明するPOPが添えられている。商品を売る前に、まず商品の魅力を伝える事が大事だと考えている。仕入れも「この商品はお客様の役に立つものなのか」といった視点で判断する。お客様の目線で、愛情と意志を持って、正しく適切な情報を提供する売り場をつくれば、それはそのままお客様に伝わる。そして、納得してくれれば必ず買ってくれる。

スーパーは「売り場」が要

お客様がワクワクしながら買い物できるスーパーにするにはどうすればいいのか。まず、味や品質が良く、価格とのバランスもとれていて、お客様にとってお得な商品が揃っている事が基本である。それから、お客様の気持ちになって考える。おすすめの商品を前にして、お客様のいくつかの購買欲求のパターンを想像し、いったい自分はどのタイプのお客様にこの商品をアピールしたいのか、その観点から売り場を考える。

気をつけたいのは、決して押し付けがましくならないようにすること。お客様が商品を選ぶ際の判断材料を正直に伝える。そこに徹するのがポイントである。売上が気になってくると、つい「売れるかどうか」というスタンスで棚に商品が並んでしまいがちになる。すると「価格訴求」に走ってしまい、押し付け型の売り方になってしまう。あるいは誰もが知っているナショナルブランドの知名度に頼ってしまう。

やはり、スーパーは「売り場」が要である。売り場がオリジナリティを失うと、お客様の足は遠のく。売り場づくりという作業には人間性が出る。売り手が商品の事を真剣に考え、かつお客様の事を考えて丁寧に仕事をすれば、おのずとお客様は商品や姿勢を理解し、買ってくれる。

福島屋は、各店舗の売り場担当が卸市場や産地、メーカーなどを訪ね、仕入れを行っている。本部が一括して仕入れを行うチェーンストアとは一線を画す。本部が仕入れるのは効率もいいし、コストも削減できる。しかし、それでは現場とのコンセンサスがとれないまま売り場が成り立ち、売り場に力がなくなる。

 

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