なぜ、日本人はモノを買わないのか?: 1万人の時系列データでわかる日本の消費者

発刊
2013年7月26日
ページ数
202ページ
読了目安
309分
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日本人は何にお金を使うのか?
野村総合研究所が行っている「生活者1万人アンケート調査」で明らかになる消費者の購買心理、行動が紹介されています。各年代・性別ごとの消費傾向やライフスタイルの変化を解説しながら、これからのマーケティングに必要となる視座を提供しています。


■迷える消費者
現在、日本の消費者の7割が、商品やサービスを購入する際、「情報が不足していて困る」よりも「情報が多すぎて困る」と感じている事が、2012年の生活者1万人アンケートの調査でわかった。インターネット上の各種評価サイト、身近な人のクチコミ、店頭販売員のオススメ、多くの断片的な情報がパラレルに入ってくる事で意思決定が難しくなり、どれを買うべきかの判断がしにくくなっている。矛盾した情報も多く、どう判断して良いかわからない状態で、「自分が間違った判断をしてしまうのではないか」と考えている人が46%と半数に達する勢いである。

では、消費者は「もう自分で判断するのは面倒だから、誰かに決めて欲しい、選んで欲しい」と思っているのか。調査によれば、約8割の消費者が、「自分の事はすべて自分で決めたい」と考えている。さらに約8割の人が「自分の性格・好みを理解した上で、それに適した選択肢を勧めて欲しい」と感じている。つまり、個々の消費者のニーズに合った選択肢をうまく提示する事ができれば、消費者は満足感を持って決断する事ができるはずである。

情報疲労時代のマーケティングストーリー

商品情報が多すぎて困るという背景から、消費者は様々な形で、意思決定の労力を省力化し、ストレスを回避しようとしている。

①選択肢スクリーニングで意思決定を支援せよ
絶え間なく入ってくる断片的な情報に優先順位をつけ、判断する事には大変な労力がかかる。このストレスを軽減しようと、消費者はオススメ=選択肢のスクリーニングを求めている。

ex.スーモカウンター(ニーズにあった物件の選択肢を提示する対面式住宅相談)

②リアル店舗で五感・直感に訴求せよ
情報疲労時代、判断に迷った消費者が、リアル店舗に回帰するといった状況が生まれている。「インターネットで商品を買う場合も、実物を店舗などで確認する」と答えた消費者は7割にのぼる。その理由は「微妙な色合いや質感、サイズなど、詳細な情報を知りたい」など。リアル店舗が果たすべき役割は、消費者の五感、直感への訴求である。

ex.LUSH、IKEA

③「お試し」体験で背中を押せ
「事前に調べれば後悔しないですむ」という意識が広がる事で、消費者の失敗を恐れる気持ちが強まっている。お試し体験により消費の安心感を得たいとする傾向は強まり、昨今では「購入する前に、お金を払ってもよいからその商品・サービスを実際にお試し体験してみたい」として、試用サービスにお金を払うという行動がみられる。

ex.ルンバブル(自動掃除機「ルンバ」の有料お試しレンタル)

④カスタマイズで消費の納得感を高めよ
その製品が「よい」か「悪い」かの判断を下す事に消費者は強いストレスを感じるが、その製品が自分に「合っている」唯一無二のものだと感じられた時の満足感は、そのストレスを軽減させてくれる。消費者の「自分らしさ」へのこだわりを強めるトレンドに着目し、カスタマイズの余地を提供する事が、顧客獲得の1つのカギとなる。

ex.スマートフォンのカバーケース

⑤モノが売れなければ体験を売れ
たいがいのモノには満たされている現在、体験・経験に価値を見出す消費者が増えている。商品やサービスのスペックではなく、そこから得られる思い出や感動、つながりなどの情緒的メリットを語れる企業が成功を収める。

ex.オイシックス「農業体験ツアー」、スバル「試乗はたのしーじょ」

⑥「社会をよくする消費」へのストーリーを構築せよ
リーマンショックや東日本大震災以降、社会に役立つ事を目指して生きる傾向が強まっており、社会貢献意識は消費の分野にも波及している。

⑦サステナビリティと「つながり」志向がもたらす共有型経済に対応せよ
モノを持つ事にこだわらなくなり、訴求力を強めているのが共有型経済である。これは「レンタル」「シェアリング」「交換・再配分」に分類される。

 

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