成果をあげるための6つの習慣的な能力
成果をあげるには、次の習慣的な能力を身につけなければならない。
①時間をマネジメントすること
②貢献に焦点を合わせること
③強みを築くこと
④重要なことに集中すること
⑤的確に意思決定を行うこと
⑥自ら目標を立て、自らを評価すること
マネジャーの仕事は、成果をあげることである。そうすることで報酬を得ている。また、成果をあげることは才能ではない。習慣的な能力である。
自分の時間がどのように使われているかを知り、重要な仕事のための時間を確保し、期待されている成果を知り、強みを基盤とし、重要なことに集中し、成果をあげるように意思決定を行い、成果を評価する、という総合的な能力である。そこに全力を投入することが、マネジャーの仕事である。
まとまった時間をつくる
重要な仕事のほとんどが、かなりまとまった時間を投じなければならないということを知っているマネジャーは多くない。意思決定についても、一度に使う時間が10分では、どれだけ時間を使っても正しい決定は下せない。つまり、マネジャーの仕事というものは、中断されることのない連続した時間を要求するものである。従って、マネジャーとして成果をあげるには、それぞれの仕事が要求する時間の大きさを知り、時間をマネジメントして、時間のかたまりを捻出しなければならない。時間のかたまりをつくるには、まず、時間の浪費を招いているものを識別することである。そこで時間の記録が必要となる。
「いかに」よりも「何を」を考える
まず行うべきことは、会社や事業部が、自分の部局に期待している貢献は何であるかについて、正面から向き合うことである。この問いに真剣に向き合い、考え抜かない限り、目標達成のためと称する手続き的な些事ばかりに時間を取られ、肝心の目標の方は一向に達成されない。成果を評価する目標管理プログラムにおいては、まず目指すべき成果について話し合う必要がある。「いかに」について考えるのではなく、「何を」について考える時間を使うべきである。
意思決定で重要なこと
意思決定は、明らかにマネジャーの仕事である。そして、真に重要なのは、それが何に関わる問題かを理解することである。意思決定を行った後、つまり決定と行動の間に、もう1つ重要な段階があることがまだ十分知られていない。それは、誰が、何を、いつまでに行わなければならないか、あるいは決定について知らされなければならないのは誰かについて、徹底して考えることである。つまり、実際に仕事をしなければならない人たちが仕事をできるようにするには、そもそも仕事をどのように組み立てなければならないかを考えなければならない。決定を実行に移すには、誰が何をしなければならないかについて、腰を据えて考える必要がある。そして、それを知る方法は、それらの人のところへ行って、どうしたら良いかを直接聞くしかない。
上司として成果をあげるための条件
①部下が本来の仕事を行えるようにすること動機付けについて悩む必要はない。本来の仕事が行えるようにしさえすれば、ほとんどの場合、部下は成果をあげる。
②その部下に期待されている貢献とは何かがわかるようにすること
目標、基準、戦略、日程を明らかにすることによって、部下自身が成果に責任を持てるようにする。目標を設定し成果を評価するために、年に一度か二度、部下をと共に時間を過ごさなければならない。
③人の育成や配置について、マネジャーとしての責任を果たすこと
部下の一人ひとりの強みを考え抜き、その強みを仕事に適用し、最高の貢献を行えるようにしなければならない。