世界標準で働く人が持つ5つの行動原則
①「フィードバックはギフト」と捉える
Googleのような世界的企業に限らず、基本的にどんな企業でも「フィードバックをきちんと受け取れている人」や「自分からフィードバックをもらいにいく人」がすごく評価される。ここでいうフィードバックとは「自分の成長につながる指摘」のこと。特に「自分からフィードバックを積極的に取りにいく姿勢」を大切にするのがGoogleである。
Googleでは「フィードバックはギフト」と言われていた。フィードバックとは、お互いの成長を願って、さらに素敵な人になってもらうための観点を受け渡しし合う行動である。これは贈る側も嬉しいものである。ポジティブ、ネガティブの両面のフィードバックをお互いにどんどんやり取りすることで、加速度的に強みや弱みの解像度が上がり、お互いに成長できる。
但し、フィードバックはお互いの信頼関係がある程度ないと、良いものを渡したりもらったりすることができない。良いフィードバックをもらうためには、まず率直に自分の考えを伝えて「この人は信頼できそうだな」というポジティブな印象を持ってもらう必要がある。そして、フィードバックをもらったら、それを行動に反映させて、相手に結果を見せて「この人にフィードバックして良かった」と思ってもらえるようにすることがポイントである。
②他者の「ユニークネス」にも注目する
Googleのような成長し続ける世界的企業は「強い個の集団」と言える。そういう人たちの集団では、お互いの得意・不得意がはっきりわかる。そのため、お互いの得意な部分を尊重し合うこと、お互いが不得意な部分をカバーし合うこと、その両方が求められる。
Googleの場合、周りにいるのは自分とは別の種類のユニークな個性を持った人たちであることが多い。そういう人たちと様々な場面で絡むことは、自分の成長に直結する。その意味で「自分のユニークネス」と同時に「他者のユニークネス」を理解し、尊重することが不可欠になる。
Googleが大切にしている「ユーザーファースト」の視点は、対人関係に使うことができる。「相手が何を言いたいのか、何をしたいのか」とまず考える。するとその先に、その人のユニークネスも見えてくる。相手の個性を尊重しながら会話するようにすると、それぞれが持っている常識とは無関係に、信頼関係が醸成されていく。
③「小さな改善」を積み重ねる
Googleには「クリティカルシンキング」のカルチャーがある。着実に「小さな改善」を積み重ねていくために、常に小さな問題点を見つけていく。そういうクリティカルシンキングをすることを重視している。
人間が成長するには、いかに日々小さい工夫を積み重ねることをやめないか、という持久走の考え方が必要である。クリティカルシンキングをすることで必ず何か問題点が見つかる。それを1つ1つ地道に改善していくことが大事である。
Googleでは、日々の改善を後押しする「現状への挑戦」という価値観がカルチャーとして組織内で共有されている。まず現状に対して「まだいけるはず!」と期待を持ち、「あなたなりの方法で前向きに改善していこう」ということ。だからこそ、Googleでは、何か1つ仕事を終えた時に「どんな工夫をしたの?」という質問が必ずくる。
④「個」と「チームワーク」を両立させる
Googleに限らず、世界的企業にとって、様々な社員がいることが成長し続ける必須要件。それは、新しくサービスやプロダクトを開発する場合、色んな背景を持った人間が携わることで初めてグローバルレベルで受け入れられる商品になるからである。そのため、みんなが最大限の力を発揮できるように、チームワーカーであることが重視される。チームワーカーの特徴は、例えば「自分と違う意見を排除してしまうような行動を取らない」「他者を活かしていこうと考える」など。
Googleでは、「チームをケアする振る舞いができる人」が高く評価される。チームを本当に気にかけることが求められる。次のような行動が取れると、チームワーカーとしての能力が高いと言える。
- 頼まれたわけでもなく、定常的に他者を助けることができる
- コミュニティという感覚を養い、育てていくことができる
- チーム内の共存関係を整えていくことができる
- 他者の成功や貢献をピックアップ(称賛)することができる
Googleでは「エクストラマイル」がとても評価される。これは、誰かのためにとか会社が目指すゴールのためにとか、本来はやらなくてもいいところまで追加の一歩を踏み出して、支援をすることを奨励するカルチャーである。
⑤「正しいこと」を行う
Googleで大切にされていた素養の1つに「正しいことができる人」がある。言い換えれば「倫理観を持っている人」である。結局、チームでは人間性そのものが信頼できるかどうかが一番大事である。