情熱とビジネスプランが大切
事業を形づくるのは、ヒト・モノ・カネであるが、実際のビジネスをつくっているのは人である。出資や協業などの意思決定を行うのも人である以上、最も大切な要素は、いかにして多くの人や企業に自分のプロジェクトに共感してらもうかである。そして、人を説得するために欠かすことができないのが「納得」と「共鳴」である。
そのためには情熱と共にビジネスプランが重要となる。
ビジネスプランは大切
熱意や志だけでは、人を巻き込み、ビジネスとして成功させることはできない。ベンチャー企業を動かすのは、人であり、その人を巻き込むには、熱意や情熱と共にビジネスプランの実現可能性の高さを説き、納得してもらうロジックが必要である。
事業機会の発見
新しい事業を作るには、アイデアを発見し、それを実行するのに必要な経営資源を集めて、プロジェクトを動かす必要がある。
・大きく成長するベンチャーの3条件
①市場が大きいこと
②市場に大きな非効率が存在すること
③技術のブレークスルー、規制緩和などの環境変化があること
生命保険業界は年間保険収入が40兆円を超える市場である。また、生命保険は、商品が難しい上、保険会社が多くの保険料を取っている非効率があった。また保険料水準も規制緩和により、裁量が認められるようになってきていた。
アイデアが決まれば、その事業性を検証するためにワークプランを策定する。その後、各分野のプロの意見を聞くことで、仮説、検証、把握のスパイラルを加速する。
市場分析
ワークプラン策定後、以下の論点を調査・分析を行った。
①本当にネットで生命保険は売れるのか?
②買ってもらえるとしたら、どういう顧客層か?
③彼らに対して、どのような商品・サービスを提供すべきか?
市場分析で重要なポイントは以下の3つ。
①顧客の素顔をあぶり出す。
②通説を疑い、事実を洗い出す。
③消費者がどのような販売チャンネルを利用しているかを分析する。
ネットで生命保険は売れないのか、検証した結果、既に顧客の2割が契約手続きにおいて非対面チャネルに移行しているのが判明した。
自社戦略
マーケティング戦略において重要な論点は、「いくらコストをかけたら、どのような時間軸で、どこまで顧客基盤が広がるか」ということである。戦略策定にあたっては、以下のフレームワークを利用した。
認知:どのようにして知ってもらうか
集客:そのようにして「店」であるホームページに来てもらうか
販売:どのようにして生命保険に加入してもらうか
口コミ・ブランディング:どのようにして話題にしてもらうか
ライフネット生命では、ネット広告やネット金融機関とのアライアンスを通じて、従来の3〜5割安い保険料で勝負をかけた。
財務戦略
新しい事業をスタートするには、収支予測(キャッシュフロー)と資本政策(資金調達の計画)が必要である。
ライフネット生命の場合、資金調達はまず事業会社を選んだ。誰に出資して欲しいかを考えるのは需要である。その際、投資家には「アップサイド」と共に「リスク」を明確に示す必要がある。