講師にとって大切なこと
研修では「何」を伝えるのか、内容やプログラム、メッセージも当然大事だが、それ以上に以下のことが大切である。
・伝える対象となる相手が「誰」なのか。相手をよく観て、状況・文脈を踏まえること
・対話や気づきの起こりやすい、本音を開示できる安心・安全な「場」をつくること
・一方通行ではなく、聴いて、問いかけ、引き出し、巻き込む「関わり」を持つこと
・講師の「あり方」そのものを整えていくこと
コミュニケーションの成果を最大化する5つのSTEP
①自分を整える・自分自身のプレゼンス(あり方)を整える
相手を変えようとするには、まず自分が変わる必要がある。土台部分の「自分自身のあり方」をきちんと整える事が重要である。
・セルフウェアネス(自己認識)を高める
起きている表層的な事柄に左右されずに、今、ここで起こっている事は何か、その際、自分はどんな状態になっているかをしっかりと自己認識できると、地に足が着いて、ファシリテーション力は格段に高まる。
・印象を効果的にマネジメントする
最初に悪い印象を持たれると、それを巻き返す事に多大なエネルギーを要する。最初のファーストコンタクトで相手にどんな印象を与えているかを常に意識する必要がある。
②相手をよく観る
・主催者の意図、参加者の状態を把握する
事前に主催者に場の目的や狙いなどをヒアリングし、その期待を超えられるような内容の準備を進めていく必要がある。
・相手に話が伝わらないバイアスを理解する
最終的に相手に何を残したいのか、伝えたいメッセージやゴールから逆算してから、相手へのコミュニケーションを設計する。
・事前に正しい準備をする
自身の専門性、知識の工場に向けて日常からのインプットを怠らない。
③意図を効果的に組み立てる
・最も伝えたいゴールを明確にする
伝えたいメッセージや情報は、すべては伝わらないという前提に立ち「誰にどんな目的で何を伝えるのか?」という点を明らかにし、最も伝えたい事を大胆に絞り込んでいく。
・メッセージを効果的に伝える方法を知る
1.時系列の原則:時間の流れに沿って起こった出来事を並べていく
2.ステップアップの原則:難易度の低いものから高いものへ情報を連続で配置する
3.森から木の原則:全体から部分への流れで、話の全体像を先に伝える
・全体のプロセスをデザインする
「権威付け」と「共感創造」によって、参加者との信頼関係をつくる。
④安心・安全な場をつくる
・関係の質を高める安心・安全な場をつくる
その場で意見を言う事が、自分への否定や批判、攻撃につながらないという安全・安心な関係性の土壌をつくる。
・空間を有効活用する
互いに遮る障害物となる机を取り払うなど、目的に応じてレイアウトを変える。
・伝達ツール・備品を有効活用する
⑤参加者の力を引き出す
・相互作用を生み出し、参加者主体の場をつくる
テーマに対しての感想共有や、身近な題材から、まずは話してみるといったように、徐々に場を暖めていく。
・バーバル言語を適切に扱う
ネガティブな言葉を排除し、肯定的な言葉を使う。
・ノンバーバル「表情」「声」「視線」「ジェスチャー」を駆使する