第一印象の4割は声で決まる
「メラビアンの法則」では、声も第一印象を左右する大きなファクターであることが証明されている。相手がどんな人物であるかを判断する情報は、見た目が55%を占めるが、声や話し方もそれに次いで38%を占める。相手に良い印象を与える声で、速さや大きさ、話し方に気をつければ、声だけで初めて会った相手の記憶に残る人になれる。
声はトレーニング次第で、誰でも変えることができる。声をトレーニングすると体を鍛える以上に、人間関係が変わる。人間関係が好転すれば、ビジネスもプライベートも充実する。
腹式呼吸と発声法をマスターするプログラム
腹式呼吸に変えて発声するだけで、声が通るようになる。
①温かい息を吐く:腹式呼吸の感覚を自分のものにする
- 右手をお腹の上に、左手を口から5cm前に持ってくる。
- 手を温めるイメージで「はぁーーーー」と5秒間息を吐く。5回、1日2セット練習する。
②スッスッスッ呼吸:息に瞬発力をつけて発音をはっきりさせる
- お腹に手を当て「スッスッスッー」と強く息を吐く。5回。
- 10秒かけて「スーッ」と同じ強さで長く息を吐き出したら、次は「シー」で練習。
③カメハメハ〜発声:吐く息にしっかり声をのせる
- おへその上下に手を当てて、鼻から息を吸う。
- 上体を前傾して、お腹をへこませながら「カメハメハ〜」と吐く息にのせて声を出す。
④カァ〜カァ〜カラスの鳴き声:音声を変えてもよく通る声にする
- 「カァ〜」とカラスの鳴き声で大きい声で2回発声。
- 「カァ〜」とカラスの鳴き声を小さい声で2回発声。1〜2を2セット行う。
⑤マーライオン発声:遠くへよく響く声をつくる
- 姿勢を正しくまっすぐ立ち、左手をお腹の上に置く。
- マーライオンが口から水を吐くように、右手を下から上へ動かしながら長めに「マーーーー」と声に出す。5回。
表情筋と舌筋をほぐして鍛えるプログラム
舌や表情筋が衰えると、発声する音に合った口の開け方が思うようにできない。その結果、滑舌に問題が出てくる。舌や表情筋の動きを良くすることで、滑舌が良くなる。
①「うーあー」顔:口を動かしやすくする表情筋トレ
- くちびるを突き出しながら口をしっかりすぼめて「うー」と発声。
- 口を大きくタテに開いて「あー」と発声。「うーあーうーあーうーあー」5回1セット。1分間を目安にする。
②「アイ〜ン」:1つの言葉を明瞭に発声する
- あごを上に上げて、前に突き出す。
- 「ア」で口をタテに大きく開き、「イ〜ン」で口を横に引っ張る。リズミカルに5回繰り返す。
③「あっかんべー」:舌根を動かして発音しやすくする
- 舌を思いっきり下に伸ばして、元に戻す。5回。
- 舌を右側に出して、元に戻す。2回。
- 舌を左側に出して、元に戻す。2回。
④舌まわし:舌の動きを滑らかにする
- 軽く口を閉じて、舌を歯とくちびるの間に入れる。
- 内側から舌でほおを押しながら歯茎の外側をなぞるように舌を右回りに3回、左回りに3回。
⑤滑舌音読&滑舌ポエム:苦手な音の滑舌を改善する
特に日本人が苦手な「サ行」と「ラ行」を中心に練習する。フレーズを細かく区切って、単語の頭で息を吐くように読めば噛まなくなる。
印象に残る話し方にするプログラム
相手に聞き取りやすい声で届ける心配りをする。
①単語の頭で息を吐く:相手の聴覚に届く声を出す
単語の頭でお腹がへこんで腹式呼吸になっているか、強い息が口から吐かれているか確認する。
②プロミネンス(強調)発声:大切な言葉を印象に残す
大切な意味を持つ言葉だけを強調して、言葉の意味を強める。強調したい部分は、自分が思っている以上に大げさに変えて発音する。
③間の取り方:聞き手の気持ちを引き寄せる
間は、次の言葉を強調したい時に役立つ。ベースは1秒の間だが、もっと強調したい時には2秒の間を取る。
④ハメタメ法:伝えたい言葉を際立たせる
重要な単語の頭で息を吐く=ハメる、重要な単語の前に間を取る=タメるを組み合わせる。
⑤動物の鳴きマネトレーニング:3つの発声法で自分の印象を自在に変える
- チェストボイス(牛の鳴き声):胸に手を当ててそこに響かせるように腹式呼吸で「モォー」と鳴く。
- ノーズボイス(やぎの鳴き声):鼻の奥に響かせるように「メェー」と鳴く。
- ヘッドボイス(子猫の鳴き声):「ミィー」と頭に響かせるように声を出す。