日本一稼ぐ弁護士の最強メンタル お金と自由を手に入れて人生を劇的に変える方法

発刊
2024年10月3日
ページ数
344ページ
読了目安
416分
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推薦者

飛躍するためのチャンスを掴むためには何が必要なのか
東日本大震災における東京電力への損害賠償請求業務で、弁護士5年目で年収6億円を達成した著者のこれまでの働き方や人生の考え方が書かれている一冊。

お金や自由を得るために、どのようなことを考えて働いてきたのか、何が必要なのかが書かれています。飛躍するためのチャンスを掴むために必要なマインドセットを学ぶことができます。

ハードワークのすすめ

司法試験合格後、就職した法律事務所では、入所早々、担当パートナーから厳しい評価を下された。しかし、そこで自尊心が傷つけられたと悲しんでいる場合ではないと思っていた。いかにこのパートナーから、自分にとってプラスになるモノを得られるかしか考えていなかった。

せめて少しでも近くでその先生が何を考えているのか、どういう仕事をしているのかを肌で感じたいと思っていた。だから、みんなで食事に行く時は、パートナーの近くに座るようにしていた。また、パートナーからクライアントとの打ち合わせに呼ばれた場合は、自分なりに毎回疑問点をいくつかピックアップし、後で自分なりに調べて考えてみたり、直接質問しに行ったりしていた。少しでもパートナーの近くにいるようにしていると、少しは可愛がってくれるようになる。仕事を教えてもらう機会が少しずつ増えていくようになった。

 

欲しいのは事務所内での短期的な評価ではなく、経験という対価だ。自分の既存案件量を考えず、案件に我先に参加したいと返事し、その上でいかに業務をこなすかを後から考えるようにしていた。いかに体力や精神的に疲弊していても、仕事を振ってくれるパートナーやクライアントの前では決してそのような姿を見せないようにしていた。

そして、絶対に「忙しい」という言葉を言わないようにしている。「忙しい」とは便利だが、安易に使い始めるといかなる状況でも言い訳に使えてしまうからだ。忙しいという言い訳を使わなくなると、具体的な理由がない限り何かを断ることがなくなり、仕事でもプライベートでもYESと答えることが多くなる。

 

弁護士1年目、M&Aや事業再生といった日々刻々と変化しやすい案件に携わることが多かったせいか、24時間いつでも仕事のメールが飛んできていた。これに対して、深夜であろうと早朝であろうと、いつでも連絡が来たら対応し、返信していた。このように自分が主体的に自分をスーパーマンと思い込ませるように仕事に取り組んでいると、本当に精神的には疲弊しなくなっていく。

毎朝9〜10時くらいに出所し、1年の95%くらいは深夜2時くらいに退所、休みはほぼなかった。大切なのは、これを大変と思わずに当然のようにこなせるマインドセット、メンタリティ、基礎体力を身につけることだ。

日本一稼ぐ弁護士の仕事術

 

社会に出て数年間は、自分をいかに追い込むかが大切だ。限界突破の経験を何度も繰り返していくと、それ以降、いざという時は一気にギアを上げられるようになる。ギアの最大出力が高まるのだ。人生で一瞬のピーク時だけで良いから、仕事に没頭した経験があれば、その後の人生が楽になる。

 

チャンスを掴むきっかけは自分の生き方で身につけた素養

仕事に取り組む姿勢に一定の評価を得ることができたことで、弁護士2年目が終わる頃に、人生を左右する大きなチャンスが与えられることになった。東日本大震災事業者再生支援機構への出向だ。機構の担当者として、多数の金融機関等との交渉に回り、機構の制度説明をし、実際に再生計画を作成して多数の被災事業者の支援をしてきた。

 

震災以降、何度も東北地方に足を運び、特に被災が甚大だった石巻の水産業界について関心を持ち続けていた。大きな問題は原発事故の放射能汚染による風評被害だった。風評被害は、被害が可視化しにくい。そこで「原発事故」や「風評被害」といったワードの入っている文献や裁判例、国会や委員会等で原発事故や風評被害に関してテーマとなっている議事録を片っ端から読んでいった。辿り着いた結論が、被災事業者から「東電に対して損害賠償請求する」ことだった。

損害賠償請求が認められるためには、東電に法的責任が認められるか、被災事業者の損害をどのように評価するか、被災事業者の損害と、東電の責任との間に因果関係が認められるか、という3つの要件をクリアしなければならない。

 

当時、宮城県内では漁業者以外は東電に賠償請求はできないというのが定説化されて出回っていた。商流として、漁業者の下位に位置する水産加工業者や資材業者等については、漁業者のように損害が直接的ではない。必死に石巻の水産加工業者の被害に関する立証活動を様々な資料に基づいて丁寧に慎重に行なっていった。その結果、最初の1件で、無事に賠償責任を認めさせることができた。これが、石巻の水産加工業者で東電への賠償請求を成功させた初の事例となった。

突如現れた東京の若造の弁護士が、自らリスクを負って、完全成功報酬で請求しますと声掛けして、実際に賠償金を回収したニュースは、石巻および周辺の水産加工業者や関連業者を中心に一気に駆け巡った。石巻および周辺地域から毎日新たな依頼が殺到し、やがて事務所案件よりも個人案件に注力せざるを得なくなり、独立を決心することになった。東電への賠償請求業務に本格的に注力し始め、弁護士5年目で年収は6億円を超えた。