顧客とのコミュニケーションが大切
ビジネスの成功はお客とどれだけ親密な関係を築けるかにかかっていて、お客の口コミがビジネスの先行きを左右する。企業は長い間、消費者に一方的なメッセージを押しつけてきたが、これはもう十分と言えない。効果を上げるには、消費者の心に響き、交流を生み出すメッセージを届けなければならない。
良い人間関係を築くには心を開いた誠実なコミュニケーションが必要である。企業やブランドが消費者と関係を築く場合も同じである。ソーシャルメディアが人気なのは、コミュニケーションが人の心を満たすからである。
顧客とのコミュニケーションを積極的に図り、一人ひとりに心遣いを示して、大切にされているという実感を顧客に持たせる会社は、規模に関係なく結果を出せる。
サンキュー・マーケティング
ソーシャルメディアを利用する企業のトップは基本的に、小さな町の商店主のような考え方をしなければならない。
・商売を長期的にとらえ、短期的な評価基準は使わない。
・個性を発揮し、情熱や気持ちを表すことをどの社員にも認める。
・お客一人ひとりを世界一大切なお客様のように扱い、口コミで評判を広める。
私たちは「サンキュー・マーケティング」という名前がぴったりの世界に生きている。古い時代と同じように顧客への本物の心遣いのできる企業だけが競争に勝つというチャンスがある。
人は感度抜群のレーダーを備えていて、心のこもらないお役所的なやり方をしていると、どんなに遠くからでもすぐに感づかれてしまう。ソーシャルメディアにトライしても散々な結果に終わる会社が多いのは、このためである。一人ひとりのお客を大切にすることは、サンキュー・マーケティングでは必須となる。
以前はメールでニュースレターを配信し、10%引きのクーポンを時々送れば、顧客を満足させることができた。ところが、ザッポスのような会社が現れて、基準が上がった。企業のサービスが向上すると、消費者はさらに良いものを要求する。
しかし、消費者が欲しいのは、敬意や親切な対応。自分たちの話を聞き、真剣に受け止めて欲しい、ただそれだけである。
お客を大切に思い、商品に満足してもらえるかどうか気にかけている事を、あらゆる機会をとらえて、印象深く示す。これがサンキュー・マーケティングでの成功である。
成功のポイント
・顧客の前に姿を見せる
・ライバルに先駆ける
・企業の「中の人」の存在を忘れない
・顧客をよく知り、顧客と同じ考え方をする
・新しいことに挑戦し続ける
・顧客に報いる
・企業のトップは顧客に合ったサービスの提供が最優先課題だと従業員に明快に示す
・企業文化に合った従業員を雇う
・適切な目的で「戦術」を活用する