困難な組織を動かす人はどこが違うのか? POSITIVE LEADERSHIP

発刊
2022年1月18日
ページ数
192ページ
読了目安
196分
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組織を活性化し、高い業績を生み出すための戦略
ポジティブ組織心理学の第一人者が、高業績を上げる組織の違いは何かを研究から明らかにし、組織を活性化するための戦略を紹介している一冊。
組織内にポジティブな感情を生み出す文化や仕組みを導入すれば、組織が著しく高い成果を出すとし、そのために有効な手法が解説されています。

ポジティブリーダーシップとは

リーダーは、「ポジティブリーダーシップ」という手法によって、並外れた業績達成を可能にし、組織内にポジティブな傾向を促し、美徳や善を重視する組織文化を生み出すことができる。
ポジティブリーダーシップは、個人や組織を向上させるもの、組織の中でうまくいっていること、組織を活性化するもの、よい経験、抜きん出ているもの、気持ちを鼓舞するようなものに重きを置く。そして、次の3つの方向性を重視する。

 

①ポジティブに逸脱した業績

通常の予測を大きく上回る業績に重点を置く。「ポジティブな逸脱」を促すというのは、並の成功を目指すことではない。むしろ「準拠集団の規範を公正なやり方で外れる意図的な行動」だ。

 

②肯定的バイアス

人の持つ強みや能力に注目し、潜在能力を信じることを重視する。ポジティブリーダーシップは、ネガティブな出来事を無視するわけではない。困難や逆境といったネガティブな要素を認め、そういう時でなければ生じないようなポジティブな結果を誘発する。

 

③徳性

人間の最もいい面を引き出すことに重きを置く。ポジティブリーダーシップは「すべての人間システムは、本質的な価値を求めて善に向かう傾向を有する」という幸福主義的な前提に基づく。

 

ポジティブリーダーシップの下で組織がうまく働く理由は主に、各個人が生き生きと力を発揮するからである。

 

4つのポジティブリーダーシップ戦略

ポジティブな逸脱を果たす組織と一般の組織の違いを特徴づける、主要な「ポジティブリーダーシップ戦略」は、次の4つである。

 

①ポジティブな組織風土

ポジティブな組織風土とは、ネガティブ感情よりもポジティブ感情が優勢な職場の雰囲気のことである。こういう雰囲気の職場では、従業員が楽観的ではつらつとしている。研究では、ポジティブ感情を育む環境が、個人及び組織の機能を最大に引き出すことが明らかになっている。ポジティブな結果は、その場だけでなく、長期にわたって生じ続ける。

日常的に問題や脅威や困難に直面している組織のリーダーたちは、ポジティブなことよりもネガティブなことに注目する傾向がある。しかし、ポジティブな点を強調しなければ、ネガティブ傾向がポジティブを圧倒し、ネガティブな組織風土が自動的にデフォルト・オプションとして残るだけだ。

 

ポジティブな組織風土を促進する上で特に重要な働きかけが3つある。

  1. 思いやり
  2. 寛容
  3. 感謝

リーダーが部下の間に思いやりの姿勢を育み、過ちが寛大に許されるように計らい、頻繁に感謝が表されるように働きかけている企業は、収益性、生産性、製品やサービスの質、イノベーションの質、顧客満足度、従業員定着率において他の企業を圧倒している。

 

②ポジティブな人間関係

ポジティブな人間関係は、個人と組織の双方に豊かさ、活力、学びをもたらす源である。個々人の身体・心理・感情面に、また組織全体にポジティブな逸脱と言える目覚ましい結果をもたらす。互いに気分が高揚するような結びつきは、人間の行動や健康の様々な面に有益な効果をもたらす。

ポジティブな人間関係を促進するために効果的な活動には、次の2つの重要な取り組みがある。

  1. ポジティブエネルギーのネットワークづくり(周囲に活力を生じさせる人をうまく管理する)
  2. 個人の強みの強化(仲間の強みを見つけて伸ばす)

 

③ポジティブなコミュニケーション

高業績の組織には、低業績の組織とは異なるコミュニケーションパターンが存在する。その基礎になるのは何と言っても、トップマネジメントチーム内で発せられる豊富なポジティブコメントだ。高い有効性が見られる組織には、人を褒めたりサポートしたりする言葉がはるかに多い。組織において、ポジティブなコミュニケーションが優れた成果をもたらす1つには、極めて高い「連結性」、つまりより多くの情報交換、人的交流、ポジティブ感情が生じるからである。

 

ポジティブコミュニケーションの活性化に明らかに効果がある方法の1つは、リーダー自身がポジティブな話し方をすることだ。リーダーがロールモデルになることに加え、組織内のポジティブコミュニケーションを活性化するための具体的戦略は2つある。

  1. 「反映されたベストの自己」フィードバック(人の成長に関するポジティブなフィードバックをする)
  2. サポーティブコミュニケーション(ネガティブなことも、相手をサポートし、成長を促す形で伝える)

 

④ポジティブな意味づけ

意味が感じられる仕事に就くことと、ポジティブな成果との間には明確な関係がある。自分が重要な目的を追求しているとか、自分にとって大事な仕事をしていると感じられると、ポジティブな効果が生じる。

仕事が意味を帯びるのは、次の4つの主要な特性のうち1つ以上を備えている場合である。

  1. 一人ひとりの幸福に重要なプラスの影響をもたらす
  2. 大切な美徳や個人的価値観と結びついている
  3. 今を超えて将来にわたって影響を与え、波状効果を生み出す
  4. 支え合う関係を作り、コミュニティの一員という意識を育てる