エフォートレス思考 努力を最小化して成果を最大化する

発刊
2021年12月8日
ページ数
296ページ
読了目安
362分
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努力を最小化して、成果を最大化するための仕事術
気合と根性で努力しても、一定のところで成果は頭打ちとなり、燃え尽きてしまう。ラクをすることは悪ではない。いかに効率よく仕事を進めて、成果を最大化すれば良いかという様々なコツや考え方を紹介しています。

エフォートレス思考とは

頑張りが成果につながることは事実だ。だが、それには限界がある。あるポイントを超えると、いくら時間とエネルギーを費やしても、それ以上の効果は得られない。疲れれば疲れるほど、頑張りから得られるリターンは少なくなる。無理やり頑張り続けた先にあるのは、燃え尽きて起き上がれなくなった自分だ。

 

力を抜いて成果を出すのは、決して怠惰なことではない。むしろ、スマートな生き方だ。エフォートレス思考とは、働き方や生き方を、すっかり変えてしまう試みだ。エフォートレス思考は、次の3つのステップに分かれている。これらを順に身につければ、なんの苦労もなく、最高の成果を出し続けることが可能になる。

  1. エフォートレスな精神
  2. エフォートレスな行動
  3. エフォートレスのしくみ化

 

エフォートレスな精神

頭に余計なものが詰まっていると、何をするのも難しくなる。疲労は動きを鈍くする。古くなった考えや感情を溜め込んでいると、新しい情報が入ってこない。だから最初のステップは、頭と心の中のガラクタを取り除き、スペースをつくることだ。

 

・頑張れば成果が出るとは限らない

「困難な仕事をなんとしてもやり遂げてみせるぞ」と意気込む代わりに、「どうやったらこの仕事がもっと楽になるか」と考えてみる。

 

・「我慢」を「楽しい」に変える

嫌なことを我慢するより、楽しくできるやり方を探す。コツは、大事な行動に、わかりやすい報酬を結びつけることだ。

 

・頭の中の不要品を手放す

不満ではなく、感謝に注意を向ければ、世界の見え方は変わる。「不足思考」(後悔、妬み、不安)が消え、「充足思考」(順調、恵み、楽しみ)へとシフトする。今あるものに目を向ければ、足りないものが手に入る。

 

・「休み」で脳をリセットする

やりすぎを防ぐためには、シンプルなルールに従えばいい。1日の仕事は、1日ですっかり疲れが取れる程度まで。1週間の仕事は、その週末ですっかり疲れが取れる程度までに制限する。

 

・今、この瞬間にフォーカスする

注意力を鍛えると情報処理速度が格段に上がる。練習すれば誰でも、ノイズを無視して重要なことにフォーカスする力を身につけられる。

 

エフォートレスな行動

完璧主義や自信のなさは、大事なことに取り掛かるのを遅らせ、正しいタイミングで終わらせることを難しくする。必要以上に仕事を増やしたり、無理なスケジュールを立ててしまい、正しいペースをつかめなくなる。やるべきことをなるべくシンプルに、簡単にやり遂げることだ。

 

・ゴールを明確にイメージする

仕事を困難にするための確実な方法は、ゴールを曖昧にすることだ。明確なゴールのないプロジェクトは、決して完成させられない。コストとリターンが逆転するちょうど手前を「完成」と定める。時間と努力を無駄にしないためにも、「完成」のイメージを明確に定義し、そこにたどり着いたら潔く終わりにする。

 

・はじめの一歩を身軽に踏み出す

重要なプロジェクトを始める時、その先に待ち構える様々な困難を予想して、怯んでしまう人は多い。それを避けるには、明確な「最初の一歩」を決めることだ。最初の一歩が遠すぎるなら、さらに複数のステップに分割するといい。

 

・手順を限界まで減らす

仕事が煩雑すぎる時には「完了するために最低限必要なステップは何か」と問う。不要なステップを排除すれば、重要なプロジェクトに全力を注ぐことができる。

 

・よい失敗を積み重ねる

重要なことを追求する時も、最初から完璧を目指さないほうがいい。手軽に失敗して修正できるようなモデルをたくさんつくる。そうすれば本当に重要なことを学び、最短ルートで成長できる。

 

エフォートレスのしくみ化

累積的な成果の場合、一度努力するだけで、あとは何もしなくても自動で成果がついてくる。エフォートレスなしくみを設計すれば、レバレッジを効かせて、利息が積み重なるように成果を増やすことが可能になる。

 

・一生モノの知識を身につける

手軽な解決策に頼っても、直線的な成果しか得られない。累積的な成果を得ようと思うなら、原理原則に目を向けなければならない。

 

・いちばんシンプルに伝える

人に教えると、自分も効率よく学ぶことができる。誰かに教える機会があるかもしれないと考えるだけで、学びの濃度は高まる。最も重要なメッセージを明確にし、それを単純化すれば、たやすく累積的な結果を残せる。

 

・勝手に回る「しくみ」をつくる

極端に複雑な作業をしていると、認知的負荷が過大になり、ミスを起こしやすくなる。必要なのは知識を増やすことではなく、ワーキングメモリに負担をかけない新たなやり方を探すことだ。重要なことを自動化するためには、チェックリストなど、ローテクなやり方が意外と役に立つ。