「主体性」を最大限に伸ばす
育児法の調査の中で、最も重要な育児方針は「自由放任で主体性を伸ばすこと」という回答が圧倒的に多かった。自主性・主体性・決断力は将来のリーダーシップのために不可欠な資質である。一流の人材は周りに流されず自分の確固たる基準でぶれない判断ができるし、他人と自分が違う事に不安を感じず、自信満々にリスクを取って決断していく。これに対し二流のエリートはいつまでも上司の判断を仰ぎ、周りが同じ意見であるかどうかだけが判断の基準である。主体性を育むための具体的な育て方は以下の通りである。
①自由を与え、自分を探させる
「自分にとって何が大切で、自分は何が好きなのか」という自分探しと「自分で決断できる力」を養ってあげるには、好きな事を自由に探させてあげる事が大切である。子供を大胆に信じ、決定権を広く認めていく事が、自分の価値観を育む上で重要である。
②子供に目標を設定させる
自主的に考えられる人間に育てるには、まずは子供に自分の目標を設定させる事が出発点である。
③進路に関し、子供の意思を尊重する
親にできるのは、子供に進路選択の判断材料を与え、最後は子供の意思を尊重する事である。
④選択肢を示し、最終選択は子供に任せる
幼少期の子供の自主的な判断をサポートする上で目指すべきは「状況を客観的に伝え、選択肢をいろいろと示してあげた上で、最後は子供に決断させる」という態度である。
⑤過保護に育てない
親が子供の身の回りの仕事をすべてやってしまうと、その時は段取りよく物事が解決しても、長期的には子供をダメにしてしまう。過保護の最大の問題は、失敗を通じて学ぶ機会を子供から奪っている点である。
⑥個性を尊重する
自分で考え、行動する主体性を身につけさせる上で大切なのは、私達の社会に蔓延しがちな「同調圧力」に負けない子育てをする事である。「他人と違う事を恐れるな」と教える事も主体性を育む上で大切である。
⑦「人に迷惑をかけるな」より「役に立て」と教える
「迷惑をかけない」だけを目指していては、過度に慎重になり、主体性が育てない。志を抱き、誠実に生きて、よい人脈をつくる事を心がけるよう教える方が正しい。
やり抜く力「グリット」を育む
学力やIQより、長期的に達成する力こそが人生の成功を左右する。「あきらめずに最後までやる」という精神力は仕事能力の一流と二流を決める分水嶺である。
①「挑戦させる」事でモチベーションを上げる
モチベーションを高めるのに最も効果があるのは、子供を「言い出しっぺ」にする事である。
②子供の応援団になる
最初は否定的だったとしても、最後は信じて応援してやる事が子供のモチベーションを高める。
③子供に期待を伝える
親の古い価値観や世間体で、子供の特性を無視してかけられた期待は、子供にとって負担以外の何ものでもない。だが、子供の適性を踏まえ、背景に親の愛情を感じさせる適度な期待は強いモチベーションになる。
④「本気」を確かめて投資する
視野を広げるには、軽い興味で始めた事も応援する事が大切だが、家計の制約がある中で深入りする際は、子供の本気度を見極めて支援する事が大切である。
⑤真剣にならなければ叱る
子供が怠けたら断固として叱らなければならない。子供には「一生懸命、真剣に挑戦する姿勢」を求めなければならない。
⑥途中で簡単にやめさせない
「途中で投げ出さない習慣」を与える事は、子供の「やり抜く能力」や「秘めたる才能」を引き出す上で、決定的な重要性を持つ。「簡単にはやめさせない」という確固たる教育方針のもと、説得力ある言葉で励ましながら継続させる事が大切である。
⑦「失敗を乗り越える強さ」を身に付けさせる
失敗しても感情的に叱るのではなく、そこから何を学ぶかに重点をおく。