「ビビりの商売」の心得
①ダメだと思ったらすぐに引く
ちゃんとやれば、商売は誰でも結果を出せる。本来、商売はイチかバチかでやるものではない。世の中で正しいとされているビジネスの手法をコピーしていれば、大きく外すことはない。商売とは、簡単に言えば、安く仕入れて高く売ること。
もちろん、具体的な1つ1つの選択には、結果としてうまくいかないこともある。だから小さな手をたくさん打って、基準に合わない結果が出ればすぐに引く。それで別の選択肢を試してみて、うまくいくようであればそちらへ進む。思い込みで1つの道にすべてを賭けてしまうから、どこかでギャンブル的な要素が強くなってしまう。
②「自分の考え」を入れない
失敗する人は「自分の考え」に固執するからである。自分の感情や欲、主観で動くから失敗してしまう。ビビりの商売を構築する時には、自分の考えをルールの中に組み込まないようにすることが大事である。
③商品やサービスを軸に考えない
商売を始めようとすると、みんな商品やサービスから考え始める。しかし、「これを売ろう」と決めた瞬間に、そこに「自分の考え」が入り込む。「これはみんなに必要とされている商品だ。絶対に売れるはず」と考えてしまう。売れるかどうかは売ってみなければわからない。売れないのであれば、その商品を扱うべきではない。
④「集客」と「セールス」がすべてと知る
ビビりの商売では、商品やサービスは何でもいい。仕組みさえつくっておけば、売るものは問わない。みんな、流行っていたり、高品質だったり、差別化されていたりする商品を売ろうと考える。それは、結局「集客」と「セールス」をしやすくするため。でも、そうした商品だけに頼ってしまうと、何かの理由で売れなくなった瞬間に商売はストップする。この世に、ずっと売れ続けるものはない。
必要なのは「集客」と「セールス」。やるべきなのは、商品とお客さんをつなぐこと。そう理解するだけで、可能性は無限に広がる。
⑤1つ1つ「テスト」で明らかにしていく
集客とセールスの仕組みをつくるために必要なのは、「テスト」の繰り返しである。問題が明確になれば解決するための手を打てる。問題を発見するために1つ1つの業務を細分化して、問題を解決するために、テストを繰り返す。
テストを繰り返して、客観的事実だけを見て判断を重ねていく。自分の感情や考えは一切入れない。それを徹底していくと、個人の能力や判断に依存しない、再現性の高い商売の仕組みをつくることができる。
⑥お金がないことを前向きに受け止める
お金がないという条件の中でどうすればいいのかを考えることで、アイデアが生まれる。制約があれば知恵を出すしかない。だからより深く考えることができる。
⑦ビジネスの常識を疑う
戦うのは、大企業とは全然違う場所。ビジネス理論は必要ない。ビビりの商売をやっていく上では、そのやり方や常識を正義とすることは危険である。
⑧目の前の出来事に一喜一憂しない
1つ1つの行動に対する結果は様々である。結果が良かろうが悪かろうが、同じ価値である。打つ手を外したとしても「ダメだった」という結果が得られるので、次を試せばいい。できるだけ冷静に、事実を事実として受け止める意識が必要である。
商売のタネの見つけ方
世の中の商売はすべて、問題解決の代行で成り立っている。商品から考えるのではなく、「世の中にはどんな問題があるのか」を探す方が早道である。大きなニーズを知って、その問題解決ができる商品やサービスを提供すれば、失敗の確率は大きく下げることができる。
どんな商品やサービスでもいいので、まず売ってみること。そして、買った人に「なぜ買ったのか」を聞き、何に困っているのかを徹底的に聞いて把握していく。まずは問題を深掘りすることが必要である。