スモール・スタート あえて小さく始めよう

発刊
2018年7月20日
ページ数
240ページ
読了目安
259分
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新しく物事を始めるコツ
かつてIDEEの新規出店に関わり、現在は全国各地で「場づくり」を行い、地域の課題解決や付加価値を高めるプロジェクトを数多く手掛ける著者が、物事を新しく始めるコツを紹介している一冊。

小さく始める

それまでの習慣や考え方を、がらりと変えるのはとても難しい。これまで通りではダメだと頭ではわかっていても、なかなか動き出せないものである。動くことが怖いと感じる人も多いかもしれない。しかし、そうして恐怖に打ち勝てず動かないでいると、環境の変化について行けず、いつの間にか居場所を失ってしまう。

これからの時代を恐れず楽しんで働き、そして生きていくためには、小さく始めてみること。小さく始めるとは、まず動くということ、静を道に変えるということである。

スモール・スタート4つのコツ

①借りより貸しをつくる
借りがある状態は、借金が重なっている感覚に近く、あればあるほど落ち着かない。貸しはバンバンつくる。仕事は別として、何かを頼まれてそれに応えるのが貸しづくりである。貸しの方が多い状態の時は、気持ちが楽になる。貸しをつくっておくと、回り回って、大きくなって、戻ってくる。貸しは慌てて回収しようとしないこと。信用経済は、大きく回るに限る。

②その場で一番いいヤツになる
会議室でもシンポジウムでも、お店でも電車の中でも町の中でも、その場で一番いい人を目指すこと。なぜなら、他の誰とも仲良くなろうとしない人でも、その場で一番いい人には心を許してくれることがあるからである。自分が助けてもらうのと、誰かを助けているところを目撃するのとでは、心の動き方が違う。だから、ひとまず、部署で一番いい人になること。雰囲気が悪くなりそうになったら良い方に変える、困っている人がいたら解決するように手伝う、放置されているタスクを片付ける。そうしていると、居心地がよくなるはずである。

③相手を打ち負かそうとしない
好きなように続けているうちに、応援してくれる人がじわじわと増えてくると、最初は「なんでそんなことしているの」と言っていた人の多くは不思議なことに「実はいいと思っていたんだよね」などと言うようになる。やっていて、うまくいけば、ある時急に態度を変える人は多い。でも、その瞬間を逃さずに「ありがとうございます!」と応えるだけで、敵だった人が味方になってくれる。最初の段階で、完膚なきまでに相手を打ち負かそうと「筋トレ的無敵」を目指さないように注意が必要である。

④「青臭さ」と「腹黒さ」のバランスを保つ
目指すところは、青臭い遠い夢、そのためには腹黒い手も考える。このバランスが、小さく始めたものを投げ出さないためには必要である。だから、内側はいつも、青と黒の入り交じった、青黒い人間でいること。

誰かを手伝うところから始めてみる

何かをやってみたいけれど、具体的に何をしたらいいのか見当が付かない場合、「やりたいこと、やらなくてはいけないことのある誰か」を助けるところから始めてみるといい。「ちょっとこれ、手伝ってくれない?」などと誰かに言われたら、それはスモール・スタートをするビッグチャンスである。そうした頼まれごとをこなしていくうちに、それが得意なことになっていくはずである。

ただ好きなだけのことよりは、誰かに頼まれたことに取り組むのがいいのには、もう1つ理由がある。それは、誰かのためにと思うと、頑張れるからである。自分のためだけだと、頑張る気持ちは続かない。お願いする側としても、自分のためではなければないほど、頭を下げることに抵抗がなくなるし、図々しくもなれる。心が折れないのである。

参考文献・紹介書籍