睡眠戦略 世界のビジネスエリートが取り入れる「7つの眠り方」

発刊
2024年5月22日
ページ数
320ページ
読了目安
280分
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推薦者

臨機応変にベストな睡眠を使い分ける方法
人生のライフステージや生活の変化に対応して、睡眠の方法を変えることで、より高いパフォーマンスを発揮することができる。身体や脳の回復、進化の鍵を握る睡眠をうまく使い分けることで、より高い成果を上げるための方法が紹介されています。

単純に睡眠の質を上げるだけではなく、目的をもって、睡眠の方法を使い分けることで、その時々の状況に対応して、パフォーマンスを高めることができるとし、その秘訣が書かれています。睡眠に課題を抱えている人にとって、改善のヒントになります。

睡眠を使い分ける

各界でトップを極めた人たちは例外なく、睡眠をうまく「利用」しながら高いパフォーマンスを発揮している。睡眠が持つ効果には大きく分けて「回復」と「進化」があり、それぞれ「身体」「脳」「メンタル」に作用する。

  • 身体の回復:筋肉の疲労からのリカバリー、お肌や髪の再生、ケガの治癒など
  • 身体の進化:筋肉や関節の増強、運動神経の発達による新しい動きの習得など
  • 脳の回復:脳の疲労からのリカバリー、眠気解消、認知症の原因物質の除去など
  • 脳の進化:新たな知識の整理・定着、新しい動きや思考の習得、創造性の向上など
  • メンタルの回復:落ち込みやうつ状態からの回復、怒りや欲望に伴う衝動の低減など
  • メンタルの進化:幸福感の向上、経験によるストレス受容能力の向上など

 

直面する様々な状況に応じて、睡眠を使い分け、高いパフォーマンスへと導いてくれるのが「睡眠戦略」である。睡眠戦略の肝は「いつ、どの戦略を導入するのか」である。各戦略は、年間スケジュールや生活サイクルに合わせて3〜6ヶ月単位で短期的に使うこともできるし、人生のステージに合わせて1〜3年単位で長期的に使うこともできる。なお、戦略を切り替える時は1週間の移行期間が必要になる。

 

睡眠戦略

①短眠戦略

睡眠時間を1日5時間前後に抑え、活動時間を増やす。正しい短眠を行えば睡眠不足でぼんやりするといったことも起きず、常にフルパワーで働き続けることが可能になる。

  1. 今より30分早く起きる。短縮は30分ずつ、ウェアラブルデバイスで睡眠の質を確かめながら、起床時間を調節する
  2. 昼休みなどを利用し、最低でも1回15〜25分程度の仮眠をとる

 

②快眠戦略

質・量ともに最適な睡眠を取り、心身の状態を整える。常に穏やかな幸福を感じられると共に、自由な発想や冷静な判断能力も手にすることができる。

  1. 自身にとってベストの睡眠時間を見つける。起床時間を固定し、8時間を起点に15分単位で調整する
  2. 就寝時間は疲労度に合わせて調整する。心身が疲れている時は早く寝る

 

③長眠戦略

1日10時間の睡眠に加えて、合間にしっかりと昼寝をとる。起きている間にぎりぎりまで自分を追い込み、脳と筋肉を1つの課題に集中させた状態で眠ることで、夢の中をバーチャルなトレーニングに使う。

  1. 脳に極限まで負荷をかける。脳への負荷は「今までできなかったことを追求する行動」である
  2. 頭の中を切り替えず、起きている思考をキープしたまま眠りに就く
  3. 10時間ぶっ続けで眠るため、就寝中にトイレに行かないように事前対策をする

 

④二分割睡眠戦略

午後9〜10時など夜早い時間から3時間眠り、深夜に起床して3時間しっかりと活動した後、もう一度3時間眠る。最初の睡眠で「深いノンレム睡眠」に入って日中の疲れから回復するので、深夜の3時間は心身ともに完全にリフレッシュした状態で過ごせる。その3時間の疲れも2度目の睡眠で解消する。小学校低学年ぐらいまでのお子さんがいて、寝かしつけが必要な両親におすすめ。

  1. 育児を理由に帰宅し、午後9〜10時に必ず家にいる
  2. ショートルーティンを作り、午前4時までに必ず2度目の就寝を成功させる

 

⑤多分割睡眠戦略

夜まとまった睡眠を取るのではなく、短い睡眠を1日に何度も取ることで代替する。この戦略をうまく使えば、例えば乳児に授乳している親やトラックドライバー、長時間船に乗る漁師など、決まった時間にまとまった睡眠を取れない方でも、脳の機能を高いパフォーマンスを保って活動することができる。但し、長く続けると性格が攻撃的になったり、より強い刺激を求めるようになったりと、副作用も懸念される。

  1. 「3時間の主睡眠」と「15分程度の仮眠の繰り返し」を組み合わせるため、1日のサイクルから「3時間」を見つける
  2. 「眠くなってから寝る」ではなく、「眠れる時に寝る」
  3. 授乳中の場合、夜か日中に関わらず、赤ちゃんが寝ている時に自分も寝る

 

⑥フレックス睡眠戦略

「自分自身が何時から何時まで眠るのか」を能動的に決めることで1日を効率よくフル活用する。無意識の内にどんどん就寝時刻が遅くなってしまう状態の時、フレックス睡眠のスキルがあれば簡単に理想の就寝・起床時刻へと修正することができる。

一気に睡眠時間を変えてしまうのではなく、30分ずつずらし、体が順応してからまた30分ずらすという手順を踏む。

  1. 寝る前に、起きる時間を強く意識する
  2. 起きたら何をやるかをあらかじめ決めておき、前日の内にしっかりと準備しておく
  3. 早く寝るためのスケジュール調整を行う
参考文献・紹介書籍