不都合な真実「知能の70%は遺伝で決まる」
遺伝学、心理学の発見は次のとおり。
①知能の大半は遺伝であり、努力しても大して変わらない。
②性格の半分は環境の影響を受けるが、親の子育てとは無関係で、いったん身についた性格は変わらない。
適正に欠けた能力は、学習や訓練では向上しない。やってもできない事実を受け止め、そのうえでどのように生きていくかが大切である。
高度化した資本主義社会での幸福論
自由で効率的な情報化社会の到来は、すべてのひとに自分の得意な分野で評判を獲得する可能性を開いた。幸福への近道は、金銭的な報酬の多寡は気にせず、好きなことをやってみんなから評価してもらうことだ。
評判獲得ゲーム
お金の主観的な価値は、貧しいほど大きく、豊かになるにつれて小さくなっていく。それに対して評判は、限界効用が逓増する。いったんよい評判を獲得すると、もっとよい評判が欲しくなる(それと同時に、評判を失うことを恐れるようになる)。
評判獲得ゲームのルールを壊さずに金銭を受け取るなら、それがどれほど巨額でも、ひとびとは喝采を送る。だが、金銭的な成功を目的にゲーム本来の面白さを踏みにじると、どんなに社会福祉に貢献しても、最低最悪の評判しかえられない。
バザールを目指せ
世間から隔離された伽藍(社会)で行われる日本的評判獲得ゲームでは、せっかくの評判もそとの世界へは広がっていかない。それに対してバザール(グローバル市場)を舞台とした評判獲得ゲームでは、評判は国境を越えて流通する通貨のようなものだ。
高度化した知識社会の「スペシャリスト」や「クリエイティブクラス」は、市場で高い評価を獲得することによって報酬を得るというゲームをしている。彼らがそれに夢中になるのは、金に取り付かれているからではなく、それが「楽しい」からだ。
幸福の新しい可能性を見つけたいのなら、どこまでも広がるバザールへと向かおう。うしろを振り返っても、そこには崩れかけた伽藍しかない。
評判を収入につなげろ
グローバルな能力主義の世界では、無能な人でもできる安い仕事が嫌いなら、「好き」を仕事にするしかない。好きなことで大金を稼げるのはビジネス能力に恵まれた、ごく一部の人たちだけだ。それでも、能力にかかわらず誰でも好きなことで評判を獲得することはできる。
だとしたら、必要なのはその評判を収入につなげるちょっとした工夫だ。能力がない人は、ロングテールに向かえ。そして、君にふさわしいニッチにある「好き」を仕事にしたいなら、ビジネスモデルを自分で設計しなくてはならない。