ストーリーマッピングをはじめよう

発刊
2016年12月21日
ページ数
184ページ
読了目安
384分
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推薦者

プロダクトを成功に導くためのストーリーの作り方
商品やサービスを成功に導くためには優れた物語が必要である。どのようにすれば、人の心をひきつける物語を作ることができるのか、その方法を解説している一冊。

人の心をつかむにはストーリーが必要

テレビ番組に映画、ウェブサイト、どんなものでも、ストーリーがなければプロダクトを見てもらうのは困難である。ストーリーの基本構造がないと、人間はなかなか出来事を理解できない。人間が何かを認識するには、ストーリーという枠組みが必要である。エンゲージメントを獲得したいなら、プロダクトの土台にはストーリーがなくてはならない。

ストーリーは、基本的には計画的に意図的にマッピングするものである。ストーリーマッピングとは、ユーザーに味わって欲しいプロダクトの利用体験を、プロットポイントごとに配置していくことである。

ストーリーの仕組み

ストーリーには、始まりと中間、終わりがある。大抵は中間が一番長くなる。さらにストーリーには「ナラティブアーク」と呼ばれる構造があり、時間とともに行動のペースが増し、あるところでそれが頂点に達した後、ペースを落としながらエンディングへ向かう。登っている途中や頂点に達したところで、唐突に終わるストーリーは「クリフハンガー」と呼ばれている。
ナラティブアークは7種類のプロットポイントで構成されている。

①状況説明
物語を見ている「観客」にメインキャラクターやその行動原理を知り、共感してもらう。

②事件や問題の発生
問題が浮上し、キャラクターが大目標を達成する道のりに障害が立ち塞がる。

③盛り上げ
優れた物語の盛り上げパートには、観客を惹きつけて離さないための衝突がふんだんに詰まっている。

④危機
どうしようもないほどの衝突が起こるプロットポイントに到達する。

⑤クライマックス
事件発生から引続く大問題が解決し、危機によって生まれたハードルが取り除かれる。

⑥落とし込み(オチ)
終わったと感じるには、ストーリーに締めが必要となる。

⑦エンディング
登場人物は目標を達成し、可能であればその過程で何かを学んでいなければならない。

プロダクトのストーリーを作る

プロダクトが成功を収めるのに必要なのは、機能ではなく、向こう側にいるユーザーにいかに「すごい」と感じさせるかである。プロダクトを使ったユーザーに何ができるかが重要である。
コンセプトストーリーとは、プロダクトのコンセプトの物語。ターゲット顧客の行動や、彼らのプロダクトやサービスに対する印象を表したもので、実データに基づいていたり、願望がもとになっていることもある。コンセプトストーリーは、次の7段階のプロットポイントに沿って進む。

①状況説明:今の状態
②事件や問題の発生:プロダクトが解決する問題
③盛り上げる行動:プロダクト名や簡単な説明、分類
④危機:競争
⑤クライマックスと解決:解決策と価値提案や競争優位
⑥落とし込み:感想
⑦エンディング:目的の達成

ストーリーマッピングの大原則

①メインキャラクターにはその物語を体験する顧客を置く
②キャラクターの目的達成を助けるように物語を作る
③目的は変わる。核となる目的がわかるまで「なぜ?」を繰り返す
④ストーリーの目的は測定できるものにする
⑤ストーリーには衝突を入れる
⑥反対方向の力をぶつけて、掛け合わせる
⑦複雑になった時には物語を1本線として見直す
⑧「ドカン」と来る瞬間を作り出す